ロイヤルオークホテル スパ&ガーデンズ

ロイヤルオークホテル スパ&ガーデンズ：琵琶湖畔に消えたリゾートホテルの軌跡

ロイヤルオークホテル スパ&ガーデンズは、かつて滋賀県大津市に位置し、琵琶湖の美しい景色を望むリゾートホテルでした。旧名称は「ロイヤルオークホテル」として知られています。

ホテルの概要

地上5階建てのホテルには169室の客室、6つのレストラン、プールなどの施設が備わっていました。滋賀県道559号線（湖岸道路）沿いに位置し、琵琶湖に面した絶好のロケーションを誇っていました。

リニューアル後は、スパやフィットネス施設を充実させましたが、京都市内での大型ホテル開業競争が激化。経営はシンガポールのファンドによる改善が試みられました。しかし、2019年からの新型コロナウイルス感染症の影響を受け、休業と事業停止を経て、2020年5月に破産を申請し、2022年5月には解体工事が始まりました。

沿革

1990年：ロイヤルオークホテルとして開業。
2002年：運営会社の経営難により、ロイヤルオークリゾートへ建物を売却し、運営権を譲渡。
2006年：改装後、「ロイヤルオークホテル スパ&ガーデンズ」として再開業。
2017年：シンガポールのファンドが運営会社の全株式を取得し、経営改善を図る。
2019年：下水道料金問題が発覚。
2020年：新型コロナウイルス感染症の影響で休業。その後、破産手続き開始。
2021年：清算結了。
2022年：解体工事開始。

破産に至る経緯

新型コロナウイルス感染症の拡大により、訪日外国人客の需要が激減。緊急事態宣言の発令も重なり、2020年4月28日から休業を余儀なくされました。事業継続を模索するも、見通しが立たず、従業員を解雇し事業を停止。大津地方裁判所にて破産手続きが開始され、負債総額は50億円以上にのぼりました。

下水道料金問題

2019年12月、ホテル側は開業当初から客室トイレやプールで使用していた地下水を、無断で公共下水道へ放流していたことを大津市に申告しました。大津市は未払い下水道料金を6億2,400万円と推定しましたが、時効の関係で5年分の使用料1億3,100万円と過料3億9,500万円のみが請求対象となりました。しかし、申告後の経営はコロナ禍で急速に悪化し、料金請求通知は破産申請後となりました。

アクセス

JR琵琶湖線 瀬田駅から近江鉄道バス「ロイヤルオークホテル」停留所下車すぐ。（※停留所を経由する路線は2022年3月31日をもって廃止）タクシーで約6分。
JR琵琶湖線 石山駅から無料送迎バスで約10分。南口からタクシーで約8分。

ロイヤルオークホテル スパ&ガーデンズは、その美しいロケーションと充実した施設で多くの人々に愛されましたが、時代の変化と不運な出来事が重なり、短い歴史に幕を閉じました。その跡地は、今もなお人々の記憶に残っています。

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