ロイヤルクラウンダービー

ロイヤルクラウンダービー磁器会社

ロイヤルクラウンダービー磁器会社（英: Royal Crown Derby Porcelain Company）は、イングランドのダービーに位置する著名な磁器メーカーです。特にボーンチャイナの高品質な製品で知られ、1750年代からさまざまなテーブルウェアや観賞用磁器を手がけています。

歴史の幕開け

この会社の起源は、1745年にダービーに移り住んだユグノー移民のアンドリュー・プランシェにさかのぼります。彼はことのほか早い時期から、ソフトペーストで花瓶や小さな彫刻を製作していました。1756年、プランシェは絵付師であり起業家のウィリアム・ドゥーズベリと共に事業を立ち上げ、これがダービー会社の始まりとなります。

当時はダービーを中心とした多くの磁器メーカーが競合し、それぞれの工房が力を尽くしていました。ウィリアム・ドゥーズベリは、優れた技術者やアーティストを雇用し、新しい材料を用いることで食器の品質を向上させることに成功しました。彼が取り組んだ革新的な製法は瞬く間に評判となり、ダービーは高級食器の重要な産地として名を馳せました。

名声の高まり

1770年、ダービーはチェルシー磁器工房を取得し、さらに名声を高めました。この取り組みにより、ダービーの製品はますます評価され、王室からも注目を集めました。1773年には、ジョージ3世がダービー工房を訪れた際に、王冠を用いた印を許可されたことで「クラウン・ダービー」として知られるようになりました。

その後、ドゥーズベリの死後は息子のドゥーズベリ2世が経営を担いましたが、彼の早逝により、アイルランド人のマイケル・キーンがその後の経営を引き継ぎました。キーンの時代は新たな職人たちが活躍し、製品のクオリティは維持されましたが、経営は不安定さを増しました。

経営の変遷

1815年、ロバート・ブルアが会社の経営を引き継ぎました。彼は経営上の困難を乗り越え、多彩で美しい製品を生み出しました。彼が手がけたデザインは日本の伊万里焼からインスパイアを受けたもので、斬新さと豪華さが評価されました。しかし、1845年に彼が急逝した後、経営は再び困難に直面しました。

1848年までに、その名声を築いた工房は閉鎖に追い込まれました。その後、かつての職人たちがキング・ストリートで新たな工房を設立し、独自のデザインと技術を用いた製品を生み出し、ダービーの伝統を引き継いでいきました。

近代への進展

1877年には新しいオスマストン・ロード工房が開設され、ここからロイヤルクラウンダービーの近代的な発展が始まりました。1890年には、ヴィクトリア女王から「女王陛下御用達の磁器製造業者」として認められ、これにより「ロイヤルクラウンダービー」の名が公式に与えられました。

20世紀に入ると、会社はいくつかの経営変遷を経ましたが、2000年には再度独立し、個人所有の状態に戻りました。現在も、高品質なテーブルウェアや観賞用磁器の製作を続け、多様なデザインが楽しまれています。

訪れる価値のある場所

ダービーにはロイヤルクラウンダービー・ビジター・センターもあります。ここでは磁器に関する博物館や工房見学、ギフトショップ、レストランが楽しめ、訪れる人々にその魅力を伝えています。多くの歴史的背景を持つこの企業は、今日もなお、伝統と革新を融合させた製品を生み出し続けています。

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