ロイヤル・ホテル (バーミンガム)

ロイヤル・ホテルの歴史

ロイヤル・ホテル（Royal Hotel）は、イングランド・バーミンガムにおいて1772年に開業した歴史的なホテルです。当初は「ザ・ホテル」（the Hotel）という名称で知られていましたが、バーミンガムで初めて「ホテル」として名乗ることで、一般的な宿屋（イン）よりも上品で洗練された宿泊施設を目指しました。

開業の背景

ロイヤル・ホテルの建設に先立ち、1765年にヨーク公がバーミンガムの宿泊施設の不足について触れたことが、建設のきっかけとなりました。彼は「バーミンガムのように巨大で美しい町には、もっと素晴らしい宿泊施設がふさわしい」と述べ、さらにその後の1770年には地元の有力者たちが集まり、£4,000を募り始めました。この資金がもとにトンチン年金が設立され、結局、総額£15,000が集められました。

初期のロイヤル・ホテルは、さまざまな社交イベントが開催される場としても知られていました。著名な音楽家との演奏会や舞踏会が行われ、社交シーズンには多くの人々で賑わいました。特に1788年には毎月舞踏会が開催され、参加者たちが社交を楽しんでいました。

豪華な集会室

このホテルの大きな魅力の一つは、奥行き80フィート、幅30フィートの壮大な集会室でした。この部屋はパイプオルガンやオーケストラ用の設備を備え、趣味の良い装飾が施されていました。三基の大きなシャンデリアや六枚の鏡、カットグラスをあしらったラスターが配され、部屋全体が優雅さにあふれていました。訪れる人々は、ゆったりした大広間を通過し、大階段を上がった先にある集会室に入ることができました。

社交の中心地

このホテルは社交の場としてだけでなく、さまざまな重要な歴史的出来事にも関与しました。1791年には、バスティーユ襲撃を祝う晩餐会の会場となり、1829年にはバーミンガム政治同盟の設立会場としても名を馳せました。多くの著名人、例えばフランス国王ルイ18世やネルソン卿、ヴィクトリア女王などが宿泊したことからも、その地位の高さを伺わせます。

終焉と変遷

ロイヤル・ホテルは長い間高い評判を維持し続けましたが、1861年にはトンチン年金の持分がわずか3口となり、リース契約が失効したことで、ホテルは解体されることとなりました。その後、跡地はノース・ウェスタン・アーケイドの一部として利用され、商業施設が建設されました。

ロイヤル・ホテルは、その名声と歴史的な役割から、多くの人々に記憶され続けています。バーミンガムにおける社交の中心地として、多くの人々が出会い、交流を深めた重要な施設でした。

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