ロイ・ハーパー

ロイ・ハーパー：孤高のフォーク・シンガー

ロイ・ハーパー（Roy Harper, 1941年6月12日 - ）は、イギリスを代表するミュージシャン、シンガーソングライターです。1960年代から1970年代にかけて、「プログレッシブ・フォーク」と称される独自の音楽スタイルを確立し、一部の熱狂的なファンを獲得しました。

波乱万丈な人生と音楽性

14歳から音楽活動を始めたハーパーは、軍隊への入隊や投獄生活など、波瀾に満ちた人生を送りました。その経験は彼の音楽に色濃く反映されており、社会に対する批判精神や、神や宗教に対する懐疑心などが歌詞に表れています。元々詩人を目指していたという経歴も持ち、彼の紡ぎ出す歌詞は、他のミュージシャンとは一線を画す、文学的な深みを持っています。

意外なファンと、多大な影響

驚くべきことに、元セックス・ピストルズのジョニー・ロットン（ジョン・ライドン）はハーパーの熱心なファンです。また、ジミー・ペイジ（レッド・ツェッペリン）、ポール・マッカートニー（ビートルズ）、デヴィッド・ギルモア（ピンク・フロイド）、ケイト・ブッシュなど、ジャンルを超えた多くの著名なアーティストが、ハーパーから多大な影響を受けたと公言しています。レコードの売り上げは特筆するほどではありませんが、ミュージシャンからの支持は非常に厚く、その音楽性は高く評価されています。

孤高のフォーク・シンガー

ハーパーは、独特の作風とマニアックな音楽性から、“孤高のフォーク・シンガー”と呼ばれることがあります。商業的な成功よりも、自身の音楽性を追求する姿勢が、多くのミュージシャンの共感を呼んでいるのでしょう。

ピンク・フロイド、レッド・ツェッペリンとの親交

ピンク・フロイドのアルバム『炎〜あなたがここにいてほしい』（1975年）に収録されている「葉巻はいかが」では、ゲスト・ボーカルとして参加しています。また、レッド・ツェッペリンのアルバム『レッド・ツェッペリン III』（1970年）の最終トラックには「ハッツ・オフ・トゥ・ロイ・ハーパー」という曲が収録されており、ジミー・ペイジがハーパーへの敬意を表しています。ペイジは現在もハーパーのライブにゲスト参加するなど、長年にわたる親交を続けています。

ディスコグラフィー（一部）

『ソフィスティケイティッド・ベガー』 - Sophisticated Beggar (1967年)
『フォークジョークオパス』 - Folkjokeopus (1969年)
『ストームコック』 - Stormcock (1971年)
『ライフマスク』 - Lifemask (1973年)
『ヴァレンタイン』 - Valentine (1974年)
『HQ』 - HQ (1975年)
『或る日のイギリス』 - Bullinamingvase (1977年)
『熱き絆』 - What Ever Happened To Jugula? (1985年) ※ロイ・ハーパー&ジミー・ペイジ名義
Man and Myth (2013年)

関連項目

フォークソング
* ジョン・ライドン

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