ロシアの共和国

ロシア連邦の共和国について

ロシア連邦は、89の連邦構成主体から成り立っていますが、そのうち24が「共和国」を称しています。これらの共和国は、主にロシア民族以外の民族が伝統的に居住してきた地域に設立され、各民族が自らの文化や言語を保持するための枠組みとしての役割を担っています。

概要

共和国は、ロシアにおける「基幹民族」（титульная нация）と呼ばれる、独自の文化や言語を持つ民族集団によって設立されました。これらの民族は、ロシア連邦の枠組みの中で、自らの領土や公用語を持つことができ、名目上の国民国家を形成しています。

しかし、ソビエト連邦時代からのロシア人移住などにより、多くの共和国では基幹民族がすでに多数派ではなくなっています。また、クリミア共和国のように、国際的にロシア領と認められていない地域も含まれています。

共和国の憲法上の立場

共和国は、州や地方などの他の連邦構成主体とは異なり、独自の公用語や憲法を持つことができます。ただし、公用語の表記にはキリル文字を使用する必要があります。各共和国は議会を持ち、立法権を有していますが、連邦法との間で衝突が生じることもあります。

2000年代以降、ウラジーミル・プーチン大統領の政権下で、中央集権化が進められ、共和国の自治権は大幅に制限されました。連邦管区の設置や、共和国首長の選出方法の変更などがその例です。かつては「大統領」と呼ばれていた共和国の首長も、「首長」や「代表」などの名称に変更されました。

分離主義の動向

各共和国には一定規模の分離主義者が存在しますが、その勢力は一般的には強くありません。ソ連崩壊直後には、タタールスタン共和国やチェチェン共和国などで分離独立の動きがありましたが、ロシア連邦の枠組み内にとどまっています。これらの地域では、基幹民族以外にロシア人などの民族も多数居住しているため、分離独立の動きには一定の歯止めがかかっています。

ソ連時代の自治共和国

ソ連時代には、民族集団の規模や自立度に応じて、自治共和国（ASSR）、自治州（AO）、自治管区という三段階の民族自治体がありました。ソ連崩壊後、ロシア連邦はこれらの自治共和国を「共和国」として引き継ぎました。ただし、自治州のほとんどは共和国となり、現在ではユダヤ自治州のみが残っています。

まとめ

ロシア連邦の共和国は、歴史的、文化的な多様性を象徴する存在です。各共和国は独自の文化や言語を保持しつつ、連邦の一員としてロシア連邦に組み込まれています。しかし、中央集権化や分離主義の問題など、多くの課題も抱えています。これらの共和国は、ロシアの政治的、文化的な複雑さを理解する上で重要な要素となっています。

一覧

（リストは省略）

人口動態

（人口動態のデータは省略）

脚注

（脚注は省略）

関連項目

ロシア連邦の地方区分
ロシアの州
ロシアの地方
ロシアの自治州
ロシアの自治管区
ロシアの連邦市
ロシアの経済地区
ソビエト連邦の自治共和国

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