ロシアファシスト党

ロシアファシスト党とは

ロシアファシスト党（露: Российская фашистская партия、英: Russian Fascist Party）は、1931年から1945年にかけて満洲国で存在したファシズム政党です。この党は、ロシア帝国の崩壊後に流入した白系ロシア人によって構成され、特にハルビンを拠点として活動していました。

背景と結成の経緯

満洲はかつてロシア帝国の影響力が強かった地域で、特にハルビンはロシア人やユダヤ人が集まる場所となっていました。しかし、1917年のロシア革命により、白軍関係者が避難する形で多くの白系ロシア人が満洲に移住しました。この時期、失業率が上昇し、若い白系ロシア人の間で不満が高まる中、ユダヤ人コミュニティに対する敵意が芽生えました。

こうした状況の中、複数のファシストグループが結成され、1931年にはコンスタンチン・ロジャエフスキーがこれらのグループを統合し、ロシアファシスト党を設立しました。この党は、満洲国が建国されると、日本の協力のもとでソビエト連邦の崩壊を目指す活動を始めました。

政策と活動

ロシアファシスト党は、反ユダヤ感情を高める一方で、党員たちが誘拐事件を繰り返すという危険な行動を展開しました。特に、あるホテル経営者の息子であるフランス国籍のピアニスト、シモン・カスペが誘拐され殺害された事件は国際的な注目を集め、非難を浴びました。このような犯罪行為に対して、政府は懸念を示しましたが、陸軍は黙認していたため、党の活動は続きました。しかし、ユダヤ人コミュニティが日本に協力しはじめると、次第に規制が強化されることになりました。

日本との関係

ロシアファシスト党は、1934年3月にはすでに東京に支部を設立し、約200人のメンバーを抱えていたとされています。この支部には、ワシリー・ペトロウィチ・バルイコフという日本代表や、アンドレ・ペトロウィッチ・コルサノフという九州支部長などがいました。

結束と変化

1934年には、アナスタシー・ヴォンシャツキーによるロシア民族労働党と合同し、党の活動を広げる機会がありましたが、路線の相違により1935年には離脱することになります。ロジャエフスキーの指導の下で活動を再開したものの、日本の戦局が不利になるにつれて、党はその影響力を失い、多くの支持者が減少しました。

滅亡とその後

1945年、ソ連軍による満洲国侵攻により、ロシアファシスト党は消滅しました。ロジャエフスキーはその後、処刑される運命を辿りました。ファシスト政党の活動は、このように歴史の中で短命に終わりましたが、当時の満洲における政治状況や人々の心情を色濃く反映した事例といえます。ロシアファシスト党は、戦争や革命が生んだ混沌とした時代における一つの象徴として、その歴史に名を刻むこととなりました。

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