ロシア帝国 (ミクロネーション)

ロシア帝国という名のミクロネーションの実態

ロシア帝国と名乗るミクロネーションは、現代において不思議な存在として注目されています。この国は、公式なロシア帝国とは無関係でありながら、過去の帝国の復活を宣言し、その名称を使用しています。特に、2017年からは「ロマノフ帝国」という名称を用いるようになりました。

歴史

このミクロネーションは、アントン・バーコフ率いるロシア連邦君主主義党の手によって2011年に設立されました。彼は、クック諸島から環礁を購入し、そこでロシア帝国の復活を宣言しました。この行動は、数百万ドルの資金が投じられたという背景を持っています。

名称と承認の問題

バーコフは自らをロシア帝国の後継者と主張していますが、実際にはロシア政府やクック諸島政府からの公式な承認を受けていません。このため、「ロシア帝国」の名称の使用は一方的なものであると捉えられています。

政府と元首

2014年には、カール・エミッヒというドイツのライニンゲン公の子孫が皇帝ニコライ3世として擁立されました。しかし、実際の運営はバーコフが担っており、彼は「宰相（エルツカンツラー）」としての役割を果たしています。

面積と首都

このミクロネーションの面積はわずか0.679872km²で、環礁から構成されています。このため、名称上の首都である「スボロフ」という場所は存在しない領域にもかかわらず、彼らは首都と主張しています。実際、居住可能な土地はなく、例えばシーランド公国やモロッシア共和国よりは大きいものの、実際の観点からは非常に小さいエリアです。

経済活動の計画

ロシア（ロマノフ）帝国は、ガンビア近海にあるアトランティス島の開発計画を発表しており、これに伴って2017年にはICO情報を発表するとしています。経済的な具体性は不明ですが、彼らが自らの国家としての存在感を示そうとしていることは確かです。

外交の現状

2018年時点ではこのミクロネーションを承認する国連加盟国は存在せず、国際的な承認の獲得には失敗しています。同年、バーコフはガンビアとの友好・協力に関する文書を締結したと主張しましたが、ガンビア政府によってこれが否定される事態となりました。

地理的特徴

島国として存在するこのミクロネーションは、サンゴの島々から構成されています。居住可能な陸地は存在しないため、彼らの主張する領土は利用されることがありません。また、個々の島は独立した存在であり、統一性を欠いています。

紋章と国旗

彼らの紋章は国旗とは異なり、双頭の鷲が鎌と槌を持ったデザインとなっています。国旗はロシア海軍のものを使用しています。

その他の情報

実際には彼らの公式サイトが存在し、国民に参加する方法が提供されています。また、アクセス方法は船のみで、海上からのみのアプローチになります。通貨や放送局は存在せず、実際の国家としての機能は非常に限定されています。

このように、ロシア帝国は単なる名乗りであって、その存在自体には多くの疑問がつきまとっています。

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