ロシア帝国内務省警察部

ロシア帝国内務省警察部の概要

ロシア帝国内務省警察部は、1880年8月に設立された、ロシア帝国の内務省に属する警察機関です。内務省の重要な一部として、治安維持や犯罪防止にあたることが主な役割でありました。この機関は、皇帝官房第三部が廃止されたことを受けて新たに設立されたもので、その後長きにわたりロシアの治安維持に貢献しました。

組織構成と運営

警察部は、9つの局、秘密班、官房、特別課、監察課から構成されていました。この多層的な組織により、様々な犯罪や社会問題に対して迅速に対応することができました。また、業務の遂行にあたっては憲兵団との密接な協力が求められ、国の治安を保つために協働していました。

設立当初から、警察部は国政における治安の確保を重要な使命とし、設立から37年間にわたり様々な指導者がその舵を取ってきました。歴代の部長の中には、I.ヴェリオやヴャチェスラフ・プレーヴェ、ピョートル・ドゥルノヴォなどの有名な名前が見られ、彼らはそれぞれの時代の治安政策に重要な影響を与えました。

歴代警察部長

1. I.ヴェリオ (1880年 - 1881年)
2. ヴャチェスラフ・プレーヴェ (1881年 - 1884年)
3. ピョートル・ドゥルノヴォ (1884年 - 1893年)
4. N.ペトロフ (1893年 - 1895年)
5. N.サブロフ (1895年 - 1896年)
6. A.ドブルジンスキー (1896年 - 1897年)
7. S.ズヴォリャンスキー (1897年 - 1902年)
8. A.ロプーヒン (1902年 - 1905年3月)
9. S.コヴァレンスキー (1905年3月 - 1905年6月)
10. N.ガリン (1905年6月 - 1905年11月)
11. Z.ヴイチ (1905年11月 - 1906年)
12. M.トルセヴィッチ (1906年 - 1909年)
13. N.ズエフ (1909年 - 1912年)
14. S.ベレツキー (1912年 - 1914年)
15. ワレンチン・ブリュン＝デ＝セント＝イッポリト (1914年 - 1915年9月)
16. ルスチュ・モロフ (1915年9月 - 1915年11月)
17. コンスタンチン・カファフォフ (1915年11月 - 1916年2月)
18. エフゲニー・クリモヴィッチ (1916年2月 - 1916年9月)
19. アレクセイ・ワシリエフ (1916年9月 - 1917年2月)

廃止とその後

内務省警察部は、1917年2月末日に廃止されました。この廃止は、ロシア社会の急激な変化や政治状況に由来するものであり、その後のロシア史における内務機関は新たな形で再編されることとなります。

警察部の創設から廃止までの間、その業務と役割はロシア帝国の治安維持にとって極めて重要なものであり、多くの歴史的背景を持っています。警察部の活動は、時代ごとの社会情勢や政府の方針を反映したものであり、この機関の影響は今もなお、ロシアにおける警察組織に見ることができます。

今後も、ロシア帝国内務省警察部の歴史は、国家の治安機関の在り方を考える上で重要な指針となるでしょう。

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