ロシア解放軍

ロシア解放軍の歴史

ロシア解放軍（ROA）は、独ソ戦の最中、1944年に結成された反共産主義の軍事組織で、そのメンバーは主にソ連の捕虜でした。この組織は、軍の指揮官アンドレイ・ウラソフの下で形成され、ナチス・ドイツと協力することを目的としていました。ロシア解放軍の背景には、ソ連のスターリン体制に対する反発がありました。

組織の背景

独ソ戦の最初の段階では、多くのソ連人捕虜がドイツ軍に加わり、「東方部隊」と呼ばれる部隊を編成しました。しかし、これらの部隊はドイツ軍の直接の指揮下にあり、占領地域でのレジスタンス活動に従事させられるなど、士気が低下することが多くありました。これに対抗するため、ウラソフは兵士たちに自らの指揮の下で戦う感情を与えることを目指しました。

結成の経緯

1944年、戦局が悪化する中で、ノルマンディー上陸作戦やソ連の反攻が進む状況において、ヒムラーの提案によってロシア解放軍の創設が進行しました。この際、「ロシア諸民族解放委員会」が設立され、この組織がロシア臨時政府となることが期待されました。

1945年初頭には、ウラソフはドイツ軍から「東方部隊」の指揮権を得て、約50,000名の兵力を保持しましたが、戦局は非常に厳しく、有効な戦闘を行うことができませんでした。結局、ウラソフの指揮のもと、第二師団と第一師団に分かれ、活動することになりました。

プラハ解放への参加

1945年3月、ウラソフは自らの指揮権を武器に命令の履行を渋りましたが、チェコスロバキアを目指す命令を受けました。連合軍とソ連軍が首都プラハに迫る中、チェコ・レジスタンスは長年のドイツ占領に抗議するための蜂起を準備していました。レジスタンスの指導者は、ウラソフの第一師団に加勢を要請しました。

命令を受けた師団は、レジスタンス側に加わり、ドイツ親衛隊と戦闘を開始しました。5月7日、連合軍到着前に彼らの活動によりプラハは解放されました。この直後、ドイツは無条件降伏し、ロシア解放軍も連合軍に投降することになりました。

終焉と影響

戦後、ロシア解放軍の大半は西側への亡命を希望しましたが、彼らの多くはソ連軍によって逮捕され、状況により処刑されてしまいました。ウラソフ自身の名誉は、ソ連崩壊後に回復されたものの、彼の個人の名誉は却下されました。このような波乱万丈な歴史を持つロシア解放軍は、第二次世界大戦の複雑な政治状況を反映しており、その存在はセンセーショナルなものとして今も語り継がれています。

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