ロシア軍占領下のザポリージャ州とは？意味をやさしく解説

ザポリージャ州におけるロシア軍の占領

2022年2月24日、ロシア軍によるウクライナ侵攻が開始され、ザポリージャ州の一部が占領されました。この占領は現在も続いており、複数の都市がロシア軍の支配下に置かれています。

占領の開始と主要都市の陥落

2月26日には、ベルジャーンシク市がロシア軍に占領され、3月1日にはメリトポリの戦いでロシア軍が勝利し、メリトポリが占領されました。さらに3月4日には、ザポリージャ原子力発電所があるエネルホダル市も包囲され、占領下に置かれました。州都のザポリージャ市はウクライナの支配下に留まっていますが、占領地域ではロシアの影響が強まっています。

占領地域におけるロシアの統制

ロシア軍は、占領地域での統制を強化するために、検閲や弾圧を強めています。2022年7月には、ロシアの戦争検閲法をザポリージャ州に拡大し、反体制的な行動に対しては強制送還を含む厳しい罰則を科しています。

各都市の状況

ベルジャーンシク

2月26日、ロシア軍はベルジャーンシク港とベルジャーンシク空港を占領しました。翌日には、ベルジャーンシク市全体がロシア軍の支配下に入りました。その後、ベルジャーンシク港はロシア軍の兵站拠点として利用され、南部攻勢の支援に使われました。3月24日には、ウクライナ軍がベルジャーンシク港を空爆し、ロシア軍の揚陸艦を破壊するなどの戦果を上げました。しかし、ベルジャーンシクは現在もロシア軍の占領下にあります。

メリトポリ

3月1日、メリトポリがロシア軍に占領された直後から、住民は占領に反対するデモを行いました。しかし、ロシア軍はデモを弾圧し、メリトポリ市長のイヴァン・フェドロフ氏を拉致しました。その後、ロシア当局は市長代行を任命し、支配を強化しようとしました。フェドロフ市長は後に解放されましたが、占領下では市民生活に大きな影響が出ています。ロシア軍は企業を差し押さえ、住民を脅迫し、ジャーナリストを拘留するなど、人権侵害も報告されています。また、メリトポリではパルチザン活動も行われ、ロシア軍に損害を与えているとされています。

エネルホダル

3月4日、エネルホダル市とザポリージャ原子力発電所がロシア軍に占領されました。ロシア軍は発電所の管理を掌握し、運営に干渉するようになりました。国際原子力機関（IAEA）も状況を懸念し、ロシア軍が発電所の安全管理に影響を与えていると指摘しました。また、ロシア軍は発電所の労働者を人質にしたり、プロパガンダ映像の作成を強制したりしているとの報道もあります。

ロシアによる併合と国際社会の反応

2022年9月23日から27日にかけて、ザポリージャ州を含むロシア占領地域でロシアへの併合を問う住民投票が行われました。ロシア側は賛成が多数だったと主張し、9月30日にはプーチン大統領がザポリージャ州の併合を宣言し、条約に署名しました。しかし、この住民投票と併合は、ウクライナや西側諸国からは違法とみなされ、承認されていません。

まとめ

ザポリージャ州の占領は、ロシアによるウクライナ侵攻の重要な局面の一つです。主要都市の占領、人権侵害、ロシアへの併合など、多くの問題が起きています。国際社会は、この状況を注視し、ウクライナの主権と領土保全を支持しています。

ロシア軍占領下のザポリージャ州