ザポリージャ

ザポリージャの概要

ザポリージャは、ウクライナ南部に位置する都市で、ザポリージャ州の州庁所在地です。ドニプロ川の下流に位置し、その流れによって市は右岸と左岸に分かれています。かつてはアレクサンドロフスクと呼ばれていましたが、ソ連時代に現在のザポリージャに改名されました。この地域は、歴史的にコサックとの関わりが深く、多くの史跡や文化が残っています。

地理

ザポリージャは、ドニプロ川によって東西に分かれています。西岸はドニプロ高地、東岸はドニプロ低地となっており、地形的な特徴も異なります。ドニプロ川の中州には、コサックゆかりの地である大ホールティツャ島と小ホールティツャ島があります。また、市内南部にはドニプロ水力発電所と、その貯水池であるドニプロため池が位置しています。気候は大陸性で、冬は寒く、夏は比較的温暖です。

歴史

ザポリージャ周辺の歴史は古く、紀元前から様々な民族がこの地を支配してきました。スキタイ、サルマタイ、ゴート族、フン族、アラン人、ペチェニーヒ人、クマン人、モンゴル人などが興亡を繰り返しました。15世紀にはリトアニア大公国とクリミア・ハン国の国境地帯となり、16世紀にはコサックの拠点であるシーチが築かれました。18世紀にはロシア帝国がこの地域を支配し、アレクサンドロフスク要塞を建設、その周辺に都市が発展しました。20世紀初頭にはウクライナ内戦の舞台となり、その後ソ連の一部となりました。1991年にウクライナが独立すると、ザポリージャは州庁所在地として現在に至っています。

人口

2001年の国勢調査によると、ザポリージャの人口は約81万人です。民族構成は、ウクライナ人が約7割、ロシア人が約2割を占めています。母語はウクライナ語とロシア語がほぼ同程度使用されています。男女比は、女性が若干多い割合となっています。

経済

ザポリージャは、ウクライナの重要な工業都市です。特に、ザポリジュスタリ製鉄所は、ウクライナを代表する製鉄所のひとつです。また、ザポリージャ原子力発電所も重要な産業施設です。

観光

ザポリージャには、歴史と文化に触れられる観光スポットが多くあります。特に、ホールティツャ島は、ザポロージャ・コサックの歴史を学べる博物館があり、コサックの祭りも開催されます。また、ドニプロ水力発電所は、ソ連時代に建設された大規模な発電所であり、そのスケールの大きさに圧倒されます。市内には、マヤコフスキー広場などの広場もあります。

交通

ザポリージャ市内には、路面電車が走っており、市民の足として利用されています。

その他の情報

ザポリージャには、ザポリージャ原子力発電所、ザポリージャ火力発電所、ドニエプル水力発電所など、エネルギー関連の施設が多いです。また、ザポリージャ・シーチは、コサックの歴史を知る上で重要な場所です。バーイダ島は、青銅器時代から集落が存在した場所とされています。ドニプロラインは、18世紀の露土戦争時に築かれた防衛線で、ザポリージャもその一部を担っていました。さらに、ZAZという自動車メーカーもザポリージャに本社を置いています。

ザポリージャは、歴史、産業、文化が混ざり合った興味深い都市です。訪れる際は、これらの要素を意識することで、より深く理解できるでしょう。

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