ロシア高速鉄道

ロシア高速鉄道の概要

ロシアの高速鉄道は、ロシア鉄道（РЖД）が運営する高速鉄道路線網です。1970年代に最高速度200km/hを目指した試験車両の開発から始まり、現在では最高速度250km/hで運行する路線も存在します。旅客輸送の高速化、所要時間の短縮に大きく貢献し、ロシアの主要都市間を結ぶ重要な交通手段となっています。

歴史

1974年、最高速度200km/hでの走行を目指し、試験車両が2編成製造されました。RT-200型（ルスカヤ・トロイカ）は1975年から1980年まで試験走行を行い、引退しました。その後、ЭР200型が開発され、1984年3月から2009年2月まで定期運行されました。

現在運行中の路線

モスクワ・サンクトペテルブルク鉄道

2009年12月18日より、シーメンス社製のヴェラロシリーズの高速列車「サプサン」が運行を開始しました。最高速度は250km/hで、ロシア連邦で最速です。これにより、モスクワとサンクトペテルブルク間の移動時間が大幅に短縮されました。

サンクトペテルブルク - ヘルシンキ鉄道

2010年12月10日より、カレリアントレインズのSm6電車（愛称：アレグロ）が運行を開始しました。ロシア国内では最高速度200km/h、フィンランド国内の一部区間では最高速度220km/hで運行しています。サンクトペテルブルクとヘルシンキ間の所要時間は、従来の5.5時間から3.5時間に短縮されました。

モスクワ - ニジニ・ノヴゴロド鉄道

2010年7月30日より、「サプサン」が運行を開始しました。3編成のうち2編成はモスクワとニジニ・ノヴゴロド間を、1編成はサンクトペテルブルクとニジニ・ノヴゴロド間を運行しています。後者の区間では、所要時間が従来の14時間から8.5時間に短縮されました。

計画中の路線

モスクワ・カザン高速鉄道

2013年、サンクトペテルブルク経済フォーラムにて、ウラジーミル・プーチン大統領により発表されました。全長770kmの高速鉄道専用線を建設し、最高速度400km/hでの運行を目指しています。2020年の開通を予定していましたが、現在は延期されています。完成すれば、モスクワとカザン間の所要時間が13時間から3.5時間に大幅に短縮される見込みです。

モスクワ・サンクトペテルブルク高速鉄道

2010年2月、ロシア鉄道はモスクワとサンクトペテルブルク間に、ヨーロッパ基準の高速鉄道新線を建設することを発表しました。この新線は、速度向上だけでなく、踏切の解消による安全性の向上、輸送力増強も目的としています。新線はロシアの標準軌である1520mmで、既存路線と並行して建設されます。

2010年4月1日、新線は最高速度400km/hの規格で建設することが発表されました。これにより、所要時間は2.5時間に短縮されると見込まれています。初年度には1400万人の利用を見込んでいます。

北京・モスクワ高速鉄道

2015年には、北京とモスクワを約7,000kmで結ぶ高速鉄道計画が浮上しました。この計画では、ウランバートル、イルクーツク、アスタナ、チェリャビンスク、カザンを経由し、所要時間は30時間になる見込みです。建設費は約2420億米ドルとされています。

その他の計画路線

モスクワ - ソチ間、モスクワ - カリーニングラード間、モスクワ - リガ間などの路線も計画されています。

今後の展望

ロシアの高速鉄道は、モスクワとサンクトペテルブルクを中心とした路線網を拡大し、主要都市間の移動時間を大幅に短縮することで、人々の移動の利便性向上に貢献することが期待されています。

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