ロシャンブロワーズ・キュキュロン・シカール

ロシャンブロワーズ・キュキュロン・シカール

ロシャンブロワーズ・キュキュロン・シカール（Roch-Ambroise Cucurron Sicard, 1742年9月19日または9月20日 - 1822年5月10日）は、フランスの神父であり、著名なろう教育者です。彼は、ろう教育の発展に大きく貢献しました。

生涯

シカールは、シャルル・ミシェル・ド・レペー神父の薫陶を受けました。レペー神父は、パリに世界初の公立ろう学校を創立した人物として知られています。シカールはレペー神父のもとで学び、1786年頃にはボルドーに設立されたろう学校で教鞭を執りました。

1789年、シカールはレペー神父の後任としてその地位を引き継ぎましたが、フランス革命の波が押し寄せ、彼の人生は一変します。革命の混乱の中で、彼は信仰を捨てるように強要され、それを拒否したために逮捕、投獄されるという苦難を経験しました。

しかし、国立聾唖学校の生徒たちはシカールの釈放を求めました。生徒たちの熱意は、ろうの教師であったジャン・マルソーの手紙を通して国会に伝えられ、議員たちに深い感銘を与えました。もっとも、その感動も束の間、シカールは処刑台へと送られることになります。しかし、友人の尽力により、彼は死刑執行直前に奇跡的に釈放されました。


1815年、シカールは2人の教え子、ジャン・マルソーとローラン・クレークを伴い、ロンドンに渡りました。この地で、彼は後にアメリカでろう教育の先駆者となるトーマス・ホプキンズ・ギャローデットと出会い、アメリカのろう教育に影響を与えました。

業績

シカールの業績は、ろう教育の分野における彼の献身的な活動にあります。彼は、レペー神父の意志を継ぎ、ろう者の教育に情熱を注ぎました。フランス革命という激動の時代を生き抜きながらも、ろう教育の発展に貢献した彼の功績は、今日でも高く評価されています。

シカールは、困難な状況下でも自身の信念を貫き、ろう者の権利と教育のために尽力しました。彼の生涯は、教育者としての模範を示すとともに、人間の尊厳と勇気を体現するものとして、後世に語り継がれています。

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