ロスコー・ターナー

ロスコー・ターナーは、1895年9月29日にミシシッピ州コリンスの農家に生まれました。幼少期から機械に興味を持ち、16歳で自動車メカニックを目指してメンフィスへ。様々な職を経験する中で、1913年に初めて飛行機を目撃し、その魅力に心を奪われます。1916年にはパイロットになることを決意しました。

第一次世界大戦が勃発すると、ターナーは召集され、気球乗りの訓練を受けます。1918年にはヨーロッパに派遣され、そこで個人的に飛行機の訓練を重ねました。1919年7月に帰国し、9月には退役。その後、10月からバーンストーミング（見世物飛行）に参加し、その腕を磨きました。

1924年には、自身の名前を冠した興行チーム「ロスコー・ターナー・フライング・サーカス」を設立し、各地で飛行ショーを開催。1925年初めには、出資を得て航空運行会社「ロスコー・ターナー・エアウェイズ・コーポレーション」を設立し、双発のシコルスキーS-29-Aで観光飛行などのパイロットを務めました。また、ハワード・ヒューズが監督した映画『地獄の天使』の撮影にも協力し、その操縦技術を披露しました。

1929年には、定期航空会社ネバダ航空のチーフパイロットに就任。記録飛行やエアレースにも積極的に参加しましたが、ネバダ航空は1930年に経営破綻しました。しかし、その後もスポンサーを得て、数々のエアレースに挑戦し続けました。

ターナーは、ライオン繁殖牧場から譲り受けたライオンを、1935年頃まで同行させていたことでも知られています。彼のトレードマークであるひげとパイロットの制服、そしてライオンとの組み合わせは、大衆の注目を集め、人気を博しました。

シェルスピードレース、ベンディックスレース、トンプソントロフィーレースといった主要なエアレースで活躍し、その名を轟かせました。しかし、1939年にレースから引退。その後、インディアナポリスに飛行学校を開設し、後進のパイロット育成に尽力しました。

ロスコー・ターナーは、その卓越した操縦技術だけでなく、個性的なキャラクターで多くの人々に愛されたパイロットでした。彼の波乱万丈な人生は、アメリカの航空史に燦然と輝いています。

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