ロス・ペロー

ヘンリー・ロス・ペローについて

ヘンリー・ロス・ペロー（Henry Ross Perot）は、1930年6月27日にテキサス州で生まれ、2019年7月9日に同州ダラスで亡くなったアメリカの実業家及び政治家です。ペローは1992年および1996年の大統領選挙に立候補し、特に1992年の選挙では注目を集めました。

来歴

ペローは米海軍兵学校を卒業後、4年間海軍に従事しました。彼の商業キャリアは1956年にIBMに入社したことから始まります。その後、彼は独立系ITサービス企業であるElectronic Data Systems（EDS）を設立しました。当初は思うように業績が上がらず苦戦しましたが、アメリカ政府からメディケア関連の業務を受注したことで急成長。1968年には株式を公開し、業界内での地位を確立します。

1984年にはEDSがゼネラルモーターズ（GM）に買収され、ペローもその経営陣に加わりますが、官僚主義に馴染めず退社しました。その後はスティーブ・ジョブスが設立したNeXTに投資し、1988年には再びEDSと同じ業種でペロー・システムズを創設しました。この会社は2009年にPCメーカーのデルに買収されました。

政治活動

ペローは元々共和党と密接な関係を持っていましたが、ブッシュ大統領の政策には反対を表明していました。そのため、1992年には独自の立場を取るため、正式に大統領選への出馬を発表します。彼の公約は財政の健全性、銃規制の反対、そして保護貿易の推進でした。このタイミングでブッシュ大統領の支持率が低下していたため、ペローは注目を集め、支持率が急上昇。選挙戦では一時的に世論調査でトップに立つなど、大きな期待を寄せられていました。

しかし、ペローは最終的に出馬を取りやめることを決定します。代わりにクリントンとアル・ゴアのタッグが民主党から支持を受けたことにより、結果として彼の支持は分散され、1996年の選挙に再出馬しますが、得票率は18.87%に留まりました。政治的に大きな影響を与えることには成功したものの、最終的な結果としては選挙人を獲得することができませんでした。その結果はクリントン大統領の当選を助ける要因ともなりました。

その後も彼はアメリカ合衆国改革党を結成し、1995年には再び大統領選に挑戦しますが、支持率は8.5%と以前の選挙を下回りました。2000年の選挙ではパット・ブキャナンを擁立しますが、内部での分裂や支持基盤の喪失により、政治活動は次第に縮小していきました。最終的には、政治活動を控えるようになりました。

その他の活動

ペローは1979年のイラン革命の際、自社の社員を救出するために特殊作戦の専門家を雇い、成功を収めたというエピソードも知られています。また、彼は大統領候補になる直前まで、ソフトバンクと提携関係にありましたが、政治活動の影響を考慮してその関係を解消しました。

2019年7月9日、彼は89歳という年齢で亡くなりましたが、彼の影響力は今なお多くの人々に記憶されています。

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