ゼネラルモーターズ

ゼネラルモーターズ（GM）の歴史と展望

ゼネラルモーターズ（GM）は、アメリカ合衆国を拠点とする自動車メーカーで、1908年に設立されて以来、自動車業界の大きな存在感を示してきました。特に1950年代から60年代には、世界最大の自動車メーカーとしてその地位を確立し、多様なブランドを展開しました。しかし、1970年代以降は輸入車との競争が激しくなり、業績が低迷することとなります。2009年には連邦倒産法第11章の適用を申請し、それ以降は国有化される事態に陥りましたが、その後再建を果たし、新生GMとして再スタートを切ることに成功します。

創成期と戦前の成長

GMは、1908年9月にウィリアム・C・デュラントによって創設されました。彼はビュイックの経営を任され、短期間で名の知れた自動車メーカーに育て上げます。1908年にオールズモビルやキャディラックなどを次々に買収し、規模を拡大していきました。しかし、デュラントは1910年に支配権を失うことになります。その後、1916年に再び社長に就任し、シボレーをGM傘下に加え、さらなる成長を遂げることになります。

1920年代からは、バスの製造会社の買収や、アメリカ国内外に多くの生産拠点を必要とする多様な車種の開発を進め、グローバルな展開を図りました。特に、オペルやボクスホールの買収により、ヨーロッパ市場にも進出しましたが、第二次世界大戦中にはナチス政権との関係が指摘されることもありました。

戦後の繁栄と課題

戦後、GMは1950年代にはアメリカ最大の企業となり、その時期には高級車ブランドとしてキャディラックの位置付けを強化しました。しかし、1970年代のオイルショックなどにより、小型車需要が高まり、これに遅れを取ったGMは品質や生産性の問題を抱えるようになります。1980年代から1990年代にかけては、日本車との競争や労働条件の見直しが求められる中、GM自身の生産体制改革に向けた様々な取り組みを進めました。

2000年以降の経営危機

2000年代に入ると、環境問題の高まりや消費者ニーズの変化が進みますが、GMはフルサイズSUVやピックアップトラックに偏重して業績を悪化させました。米国同時多発テロ事件の影響もあり、販売量の減少によって在庫が増加し、企業収益が急速に悪化します。最終的には、2009年に連邦倒産法第11章の適用を申請するに至りました。

国有化と新生GM

GMは国有化され、アメリカ政府が主要な株主となりました。以降、経営の立て直しや構造改革を進め、新会社として再スタートを切ります。新生GMでは経営体質の改善が図られ、2013年にはアメリカ政府が保有株を全て売却し国有化は解消されました。さらに、2014年には初の女性CEOとしてメアリー・バーラが就任し、コンプライアンス強化やリコール問題への対策が進められました。

現在のGMと多様なブランド戦略

現在、ゼネラルモーターズはビュイック、キャディラック、GMC、シボレーほか、さまざまなブランドを展開しています。以降も、電気自動車の開発や自動運転技術への注力など、時代の変化に対応した取り組みを進めており、持続可能な社会に向けての努力を続ける姿勢が求められています。GMの今後の動向から目が離せません。

もう一度検索