ロタンダ

ロタンダの詳細

ロタンダ（英: rotunda）は、円形の建物を指し、主にその上部にドームを持つ構造のことを指します。この建物は、建物の内部にある円形の広間を示す場合もあり、この場合は円形広間として言及されます。言葉の由来はラテン語の「ロトゥンドゥス（rotundus）」で、これは「円形」を意します。ヨーロッパの複数の言語では、ロトゥンダ（ラテン語）、ロトンダ（イタリア語）、ロトンド（フランス語）、ロトゥンデ（ドイツ語）など、様々な呼称が存在します。

中央ヨーロッパにおけるロタンダ

中央ヨーロッパでは、中世の時代に特に多くのロタンダが建設されました。9世紀から11世紀の間、様々な地域に教区教会が建てられ、その中で円形の教会が多く存在しています。現存する建物には、ハンガリー、ボヘミア、ポーランド、クロアチア、オーストリア、バイエルン、ダルマチア、ドイツ、チェコなどが含まれています。これらの建物の一つには、ローマのパンテオンがその参考として挙げられますが、実際にはローマ帝国の勢力圏外にあるものも多いです。一般的には、これらのロタンダ内部の直径は約6メートルから9メートルで、アプスは通常東を向いています。時には、中心の円の周囲に3つから4つのアプスが設けられるものもあります。これらは時にカフカース地方のロタンダとも関連しています。

パンノニア平原のロタンダ

現在のハンガリーに当たるパンノニア平原には、さまざまなロタンダの種類が見られます。これらは古代の小さな村における教会が徐々に改築・増築された結果として理解されることが多いです。現在でも多くの現存建物があり、特にNagytótlakやKallósd、Kissikátor、Bény、Süvéteなどでは古代の土台が発掘・保存されています。Sárospatakの教会では、シンプルな円形の身廊と東側のアプスが確認できます。また、Dunakesziには14世紀に長軸方向に増築された教会があり、Isaszegには元の土台の痕跡がゴシック様式の身廊内に残されているロタンダがあります。しばしば、ロタンダは新しい、より大きな教会の一部として利用されています（Bagod-Szentpál, Hidegség, Vágkereszturなど）。

日本におけるロタンダ

日本のロタンダは、建築家の坂本鹿名夫が提唱した形式で、特に経済性を考慮した円形建築物です。時にはドーム屋根を排除した例も存在するなど、実用的な工夫が施されています。これにより、良好な採光や通風を確保し、建設コストを抑えることが可能となったため、校舎や市役所などの公共施設に数多く採用されました。しかしながら、部屋が曲面で構成されるため家具の配置が難しく、増築にもコストがかかるため、1960年代には大型のロタンダの新設はされなくなりました。

その後、経年劣化によって多くの建物が取り壊され、唯一存続していた宮城県大崎市の田尻総合支所は、建築学会からの保存要請にもかかわらず2017年に取り壊しが決まりました。校舎の具体例には円形校舎がありますし、戦前の満蒙開拓団用の簡易住宅として日輪兵舎という例もあります。

有名なロタンダの例

ロタンダは世界各地に存在しており、宗教建築や娯楽施設、教育施設、政府の建物に利用されています。例えば、イタリアのピサにある洗礼堂やローマのパンテオン、ブルガリアのソフィアにある聖ジョージロタンダなどがあります。他にも、ロンドンにはRanelagh Gardensのロタンダや、ストックホルムの公共図書館など、多様な用途のロタンダが存在します。このように、ロタンダは歴史的にも機能的にも重要な建物であり、様々な地域でその形を変えながら今に至っています。

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