ロッキー・ホラー・ショー (ミュージカル)

ロッキー・ホラー・ショー

『ロッキー・ホラー・ショー』（The Rocky Horror Show）は、1973年にリチャード・オブライエンが作詞・作曲・脚本を手がけた、ユニークなミュージカル作品です。この作品は、1940年代後半から1970年代初頭にかけてのSF映画やB級ホラー映画への楽しいオマージュとなっており、特に異性装をテーマにしたキャラクターたちの奇妙な冒険が描かれています。

概要

物語は、婚約したカップルのブラッドとジャネットが、嵐に遭遇し、異性装のマッドサイエンティストが住む城に迷い込み、その中で出会う人造人間ロッキー・ホラーとのやり取りを中心に展開します。最初のロンドン公演は1973年6月にロイヤル・コート劇場で始まり、大ヒットを記録。1980年までに2960回の上演を果たしました。

制作背景

オブライエンは、失業中の俳優だった1970年代初頭にこの作品を執筆しました。彼は、サイエンス・フィクションやB級ホラー映画に触発されながら、コミカルで低俗な要素を取り入れています。その後、演出はオーストラリア出身のジム・シャーマンに引き継がれ、オブライエン自身もリフ・ラフ役でキャストに参加。

当初は『They Came from Denton High』というタイトルで進められていましたが、プレビューの直前に現在のタイトルに変更され、観客の心をつかむことに成功しました。その後、アメリカのロサンゼルスやブロードウェイでも上演され、高い評価を受けましたが、ブロードウェイ公演は短命で終わりました。

あらすじ

物語は、荒廃した映画館で働くアシュレットが映画を紹介するところから始まります。ブラッドとジャネットは結婚式の帰り道、不運にも嵐に遭遇し、偶然にも不気味な古城にたどり着きます。そこでマッドサイエンティストのフランク・N・フルターと出会い、彼の研究所に引き込まれます。

フランクは、自らが創り上げた金髪で筋肉隆々の人造人間ロッキーを紹介し、彼に想いを寄せていく様子が描かれます。さまざまな混乱が生じ、物語は進んでいきます。ブラッドとジャネットは、異性装やセクシュアリティにまつわるテーマに直面し、自由な表現の運動が物語の中核を成します。

音楽と演出

オリジナルの音楽は、オブライエン自身の軽快な歌詞とユニークなメロディーによって満たされており、特に「Time Warp」や「Sweet Transvestite」といった楽曲が有名です。これらの楽曲は、観客と演者が一体となって楽しむことができる点でも、大きな魅力となっています。

この作品は映画化もされ、映画版は長期にわたるロングランを記録するなど、人気を博しました。また、40年以上にわたり再演され続けており、さまざまな国と地域でプロダクションが行われています。

受賞歴

『ロッキー・ホラー・ショー』は、1973年のイブニング・スタンダード賞を受賞し、その後も多くの賞にノミネートされました。また、映画化された際も評価を受け、その影響力は今なお健在です。

ロッキー・ホラー・ショーは、単なるミュージカルを超えて、文化的現象となっており、世界中のファンに愛されている作品です。この作品は、異なる価値観を受け入れることの大切さや、自己表現の自由がいかに重要であるかを思い出させてくれます。

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