ロッキー・マルシアノ

ロッキー・マルシアノの生涯

ロッキー・マルシアノ（本名：ロッコ・フランシス・マルケジャーノ）は、1923年9月1日、アメリカのマサチューセッツ州ブロックトンで生まれました。彼はイタリア移民の家庭に育ち、幼少期から野球に情熱を注いでいましたが、高校での規定違反により退学を余儀なくされました。その後、石炭掘りやトラック運転手、靴屋など様々な職を経て、1943年から1946年までの間、軍務に就きます。

兵役中にボクシングと出会い、アマチュア選手として8勝4敗の成績を収めました。戦後、1947年3月17日にプロボクサーとしてデビュー。その当初はプロ野球選手を志していましたが、カブスの二軍での挫折を受けてボクシングに専念することを決意します。1948年には再度プロのリングに上がり、着実にキャリアを積んでいきました。

1951年10月27日、マルシアノは37歳の元世界ヘビー級王者であるジョー・ルイスと対戦し、8ラウンドTKOで勝利を収めました。この試合は、彼のボクシングキャリアの中で重要なマイルストーンとなりました。1952年9月23日には、ジャーシー・ジョー・ウォルコットとのタイトルマッチに挑戦。初回にダウンを奪われるも、13回で逆転KO勝ちを果たし、世界ヘビー級王者の座を獲得しました。この試合でのフィニッシュブロー、右フックは「スージーQ」と名付けられ、彼の代名詞ともなります。

その後もマルシアノは順調に防衛戦をこなし、1955年には41歳のアーチー・ムーアに勝利し、6度目の防衛成功を収めました。彼は1956年4月27日、32歳の若さで49戦全勝という偉業を達成し、無敗のままボクシング界を引退します。その記録は62年間破られることがなく、フロイド・メイウェザー・ジュニアが2017年に50勝を達成するまで永続的なものとなりました。

しかし、引退後のマルシアノは頭痛に悩まされることが多く、現役時代のハードな打撃スタイルが影響していると考えられます。1969年8月31日、彼はアイオワ州で墜落したセスナ機の事故に遭い、46歳の誕生日の前日に命を落としました。この事故では、彼と同乗していた友人の息子、ルー・ファレルも含む3人が亡くなりました。

マルシアノはフォートローダーデールのフォレスト・ローン記念墓地に埋葬され、彼の妻も後に同じ場所に埋葬されています。彼の残した49戦49勝の成績はボクシング史に記録され、今なお「史上最高のヘビー級ボクサーの1人」として語り継がれています。

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