ロッキー5/最後のドラマ

映画『ロッキー5/最後のドラマ』の概要

『ロッキー5/最後のドラマ』は、1990年に公開されたアメリカの映画であり、『ロッキー』シリーズの第5作目です。本作は『ロッキー4/炎の友情|ロッキー4_炎の友情』の続編として位置づけられており、監督にはシリーズ初作を手掛けたジョン・G・アヴィルドセンが再び起用され、シリーズの集大成として期待されました。

興行成績と評判

ではありますが、興行的には思わしくなく、評価も低かったため、実質的に『ロッキー』シリーズは本作で一旦の完結を見たと考えられていました。しかし、2006年にスタローン自身が手掛けた『ロッキー・ザ・ファイナル』が公開されることにより、物語は再び続きが語られることになります。日本では、ワーナー・ホーム・ビデオから初めてリリースされた際、タイトルから「最後のドラマ」という副題が取り除かれたこともあり、後の映像ソフトでも同様の処理がされました。

ストーリーの核心

物語は、ロッキー・バルボアがソ連のボクサー・ドラゴを破って帰国した後、彼の人生がどのように変わっていくかを描いています。会計士の不正によって破産し、過去の激闘による脳のダメージに苦しむロッキーは、家族の勧めもあって引退を決めます。故ミッキーのジムで新たなボクサー、トミー・ガンを育てることになるロッキーですが、思春期を迎える息子・ロッキーJr.との関係がぎくしゃくしていきます。

その後、黒人プロモーターのジョージ・ワシントン・デュークが現れ、ロッキーの復帰を持ちかけますが、ロッキーは家族に配慮して断ります。その結果、デュークはトミーをロッキーの元から引き抜き、トミーは名声と富を求めて成長していきます。ロッキーはトミーとの関係に苦悩し、自身の家族との絆を再見つめなおします。

クライマックスとフィナーレ

トミーがタイトルマッチで勝利した後、観客の反応は冷ややかで、彼は次第に孤立感を深めていきます。ロッキーに対する侮辱を浴びせるトミーに対し、ついにロッキーは怒りをぶつけることになります。この戦いは観客の前で行われ、ロッキーは自らの信念を守るために立ち上がります。彼はかつてのトレーナー・ミッキーの幻影に励まされながら、意識を失いかけながらも勝利を掴むのです。最終的に、ロッキーは息子と共にフィラデルフィア美術館の階段を駆け上がる姿が描かれ、彼のボクサーとしての人生は一区切りを迎えます。

キャストとスタッフ

本作には、主演のシルヴェスター・スタローンをはじめ、トミー・モリソンが新鋭ボクサーとして登場します。監督のジョン・G・アヴィルドセンと脚本のスタローンは前作でも共演しており、映画の制作には音楽、撮影、プロデューサーなど、多くの著名なスタッフが関わっています。

評価とアナザーバージョン

興行的には評価が低かった本作でしたが、スタローンとアヴィルドセンの関係が注目され、0．6度のゴールデンラズベリー賞のノミネートを受けるなど、シリーズの歴史に名を刻むことになりました。また、監督がオンラインで公開していたディレクターズ・カット版には、未公開シーンや音楽が追加され、特別な内容になっています。

結論

『ロッキー5/最後のドラマ』は、ボクシングを通じた人間ドラマが展開される作品であり、数々の困難を乗り越えて成長するロッキーの姿が描かれています。シリーズの中では評価が分かれる一作ですが、根強い支持者も少なくありません。この映画は、人生の価値や家族の絆を考えさせる重要な作品として、多くの人々に記憶され続けるでしょう。

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