ロック・ダスト・ライト・スター

アルバム紹介：ロック・ダスト・ライト・スター

『ロック・ダスト・ライト・スター』（Rock Dust Light Star）は、イギリスの人気バンド、ジャミロクワイによる7作目のスタジオアルバムで、2010年 11月1日に英国で、続いて11月3日に日本、そして2012年4月24日にアメリカでリリースされました。本作は、ベストアルバム『ハイ・タイムズ:シングルズ 1992-2006』の発表から約4年ぶりであり、オリジナルアルバムとしては5年ぶりの作品です。

制作背景とレコーディング

アルバムの収録は、バンドのリーダーであるジェイ・ケイの自宅スタジオやオックスフォードシャーのHook End Manor、さらにはタイのKarma Studiosでも行われました。これまでソニーとの契約がありましたが、2006年にその契約が終了し、ユニバーサルミュージックとの新たな契約を経てこのアルバムが実現しました。ジェイ・ケイは、2017年にBMIプレジデント・アワードを受賞した際、ユニバーサルと契約できたことに対する感謝の意を示しました。

アルバム制作のために、約30曲が用意され、その中から厳選された楽曲が収録されることになりました。特に「Money」という曲は自宅のキッチンで作曲したものの、最終的にはアルバムには含まれませんでした。ケイは、前の作品からの時間がかかった理由として、創作の新鮮さを失っていたためだと解释しています。デビュー当時は新しい挑戦が続いていましたが、気づくと多くの方向性を試み尽くしてしまったと感じていたのです。彼は、この5年の間に家庭での充実した生活を楽しんでいたことも明かしています。

各楽曲の解説

アルバムの収録曲の中で「Blue Skies」は、ソニーとの契約切れの心情を表現した歌詞が魅力的となっており、ユニバーサルの関係者からの強い要望で収録されました。ケイ自身はこの曲を好んでいなかったものの、商業的な期待を込めてアルバムに選ばれました。

「White Knuckle Ride」は、前作『ダイナマイト』の頃に制作されていたが、当時は収録を見送ったもので、改めてアレンジを施して収録されることになりました。ケイはこの曲名を気に入っていたため、そのまま使用されています。

「Never Gonna Be Another」は、昔の思い出を振り返りながら書かれた楽曲で、特に他の多くのアーティストへの感謝が込められています。

ミュージックビデオ

ミュージックビデオの制作においては、過去の作品と比較して低予算で行われました。スペインでポルシェとヘリコプターを使った撮影を2日間で終える必要がありました。ケイ自身は、ファンに楽しむ姿を見せたいと考えつつ、過去の作品で撮り尽くした気持ちもあったと語っています。その中で、今回はヘリを操縦しながら自作の曲を演奏するという新しい挑戦を選んだのです。

収録曲一覧

通常版:

- ロック・ダスト・ライト・スター / Rock Dust Light Star
- ホワイト・ナックル・ライド / White Knuckle Ride
- スモーク・アンド・ミラーズ / Smoke and Mirrors
- オール・グッド・イン・ザ・フッド / All Good In The Hood
- ハーティン / Hurtin'
- ブルー・スカイズ / Blue Skies
- ライフライン / Lifeline
- シーズ・ア・ファースト・パースウェイダー / She's A Fast Persuader
- トゥー・コンプリートリー・ディファレント・シングス / Two Completely Different Things
- グッバイ・トゥ・マイ・ダンサー / Goodbye To My Dancer
- ネヴァー・ゴナ・ビー・アナザー / Never Gonna Be Another
- ヘイ・フロイド / Hey Floyd

日本版ボーナストラック:

- ザッツ・ノット・ザ・ファンク / That's Not The Funk

デラックス版ボーナストラック:

- オール・グッド・イン・ザ・フッド (アコースティック・ヴァージョン)
- アンジェリン / Angeline
- ハング・イット・オーヴァー / Hang It Over
- ロック・ダスト・ライト・スター (ライヴ・アット・パレオ)
- ホワイト・ナックル・ライド (Alan Braxe Remix)
- ブルー・スカイズ (Fred Falke Remix)

『ロック・ダスト・ライト・スター』は、ジャミロクワイの音楽の新たな側面を見せる傑作であり、ファンにとっても楽しみな内容となっています。

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