ロッタちゃんと赤いじてんしゃ

『ロッタちゃんと赤いじてんしゃ』は、1992年に製作されたスウェーデンの映画で、児童文学作家アストリッド・リンドグレーンの作品を原作としています。この映画は、「ロッタちゃん」シリーズを原作とした最初の作品であり、ロッタの愛らしい姿と、彼女を取り巻く人々の温かい眼差しが魅力です。

物語の舞台は、スウェーデンののどかな町ヴィンメルビュー。主人公のロッタは、両親と兄、姉と暮らす元気な女の子です。兄や姉が自転車に乗って自由に駆け回る姿を見て、ロッタは自分専用の自転車を強く望みます。しかし、5歳の誕生日を迎えても自転車はプレゼントされず、ロッタは不満を募らせます。そこでロッタは、隣に住むベルイさんの自転車を無断で借りるという大胆な行動に出るのです。

映画は、ロッタが自転車騒動を起こすエピソードを中心に、5歳児ロッタの激しい自己主張と、それを受け止める周囲の人々の日常を、オムニバス形式で描いています。ロッタの行動は時に周囲を困らせますが、彼女の純粋さと愛らしさは、家族や友人たちを笑顔にします。

日本での公開は2000年。『ロッタちゃん はじめてのおつかい』の反響を受け、同年6月に公開されました。ロッタ役を演じたグレテ・ハヴネショルドは、当時14歳で、母親と共に来日し、舞台挨拶や広報活動を行いました。彼女は撮影当時を振り返り、雨の中、牛糞の上で仁王立ちするシーンの苦労を語っています。

字幕版での上映では、平仮名を多用するなど、低年齢層への配慮がなされました。しかし、ロッタの言葉遣いや食べ物を粗末に扱う場面など、一部表現については調整されています。

本作は、恵比寿ガーデンシネマでの公開時、『はじめてのおつかい』と合わせて3万7000人を動員し、5750万円の興行収入を記録。2作合わせて37週間のロングラン上映となりました。全国では2作品合計で約20万人を動員し、3億円を超える興行収入を上げ、2000年のミニシアターにおける大ヒット作となりました。

そして2024年3月22日、2Kリマスター版としてリバイバル公開され、同時に日本語吹替版も劇場で初めて公開されました。公式サイトもリニューアルされ、再びロッタちゃんの魅力が多くの人々に届けられています。

『ロッタちゃんと赤いじてんしゃ』は、ロッタの成長と、彼女を取り巻く人々の愛情を描いた心温まる作品です。ぜひ、劇場でロッタちゃんの可愛らしい姿と、ヴィンメルビューの美しい景色を楽しんでください。

もう一度検索