ロッディジーズ家

ロッディジーズ家の歴史と影響

ロッディジーズ家は、18世紀から19世紀にかけてイギリスで著名な園芸業者として知られています。家の始まりは、1738年にドイツ、ニーダーザクセン州のヒルデスハイムで生まれたヨアヒム・コンラート・ロディゲスに遡ります。彼は父親の影響を受け、オランダにて園芸の技術を修得した後、19歳でイギリスに移住しました。ロンドンのハックニー地区で医師の庭師として働き、そこで移民の友人と共に種苗商業を開始しました。

彼の努力により、ヨーロッパの園芸市場での存在感が増し始め、その名は広まりました。特にロッディジーズが最初に栽培に成功させたロドデンドロン・ポンチカムは、当時の園芸愛好家の間で話題を呼びました。1777年には最初のカタログを発行し、ここから彼の会社は急成長を遂げました。顧客にはロッキンガム侯爵などの著名な人物が名を連ねており、彼らはロッディジーズの提供する珍しい植物が持つ独特の魅力に惹かれていました。

第二世代の発展

ヨアヒムの息子、ジョージ・ロッディジーズは、園芸業をさらに発展させました。彼はハックニーに広大な植物園を設立し、1817年から1834年にかけて『ボタニカル・キャビネット』という雑誌を発行しました。この雑誌には、世界中の希少植物が詳細に紹介され、多くの園芸愛好家や専門家に強い影響を与えました。また、ジョージは1833年頃から新しい植物運搬技術「ウォードの箱」を導入し、オーストラリアから新たな植物を取り寄せるなど、国際的なネットワークを築きました。

19世紀初頭には、彼の事業はヨーロッパで最大規模の温室を持ち、特にヤシや蘭のコレクションは高く評価されました。ジョージは植物学者たちとの交流を重視し、複数の科学団体に参加することで、園芸業界における知識の蓄積と情報交流を促進しました。

厳しい転機とその後

1846年にジョージが亡くなると、業務は彼の息子コンラッド2世が引き継ぎました。しかし、ロンドンの都市開発により、ハックニー地区の地価が急上昇し、植物園の維持が困難になりました。そのため、コンラッドは1852年から1854年にかけてビジネスを休止し、貴重な植物をキューガーデンに移転する交渉を試みますがこれは成就しませんでした。最終的には、当時の著名な植物画家や造園家に希少な植物が売却される結果となりました。

植物の美とその遺産

ロッディジーズ家は単に植物を商業的に扱っただけでなく、その研究と普及に力を注ぎました。彼らの活動は、多くの人々に珍しい植物の魅力を伝え、園芸の発展に寄与しました。特に『ボタニカル・キャビネット』は、当時の植物学や園芸に関心を持つ多くの人々にとって重要な情報源となり、彼らの知識を広げる役割を果たしました。ロッディジーズ家の業績は、今なお園芸の世界に影響を与え続けています。

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