ロディの戦い

ロディの戦い

概要

ロディの戦い（ローディの戦いとも呼ばれる）は、1796年5月10日に北イタリアのロディで行われた、フランス軍とオーストリア軍との間の重要な戦闘です。ナポレオン将軍の指揮下にあるフランス軍がオーストリア軍後衛を攻撃し、後衛は敗北しましたが、オーストリア軍の主力は無事に退却しました。この戦いは、ナポレオンの戦術的才能を示す一方で、後の彼自身の神話の形成にも影響を及ぼしました。

背景

ナポレオンはイタリア戦役の初期に、まずピエモンテ＝サルデーニャ王国の軍隊を撃破しました。続いて、彼はその同盟国であるオーストリア軍に目を向けます。ポー川の南岸に沿った迅速な行軍によって、ナポレオンはオーストリア軍がミラノに退却する進路を遮断しようとしました。その結果、オーストリア軍は急遽ロディを経由して退却せざるを得ませんでした。

戦闘経過

5月10日の午前9時頃、フランス前衛部隊はオーストリア軍の後衛を捕捉し、交戦の後、ロディの方向に追撃を行いました。オーストリア軍は数日間の強行軍で疲労し切っており、この時点でロディを強固に防衛する意図はありませんでした。オーストリア軍のゼボッテンドルフ将軍は、日中の退却を避けるためにフランス軍の渡河を阻止しようとしました。

フランス軍はロディへの進軍を開始しましたが、橋を越えるには兵力が不足していたため、後続部隊の到着を待つこととなりました。午後にはフランスの砲兵が到着し、対岸に向けて激しい砲撃を開始します。ナポレオンが直接砲の照準を指示したという話もありますが、確認された証拠はありません。

午後6時頃、フランス軍は攻撃態勢を整え、騎兵を橋の上流へ派遣しました。騎銃兵が橋を渡ると、オーストリア軍の砲兵による一斉射撃が行われ、多くの死傷者を出しましたが、上級士官の指揮の下再び突撃が行われます。フランス軍は川に降り圧力をかける一方、オーストリア軍は疲労と混乱から士気を失い、最終的には退却を余儀なくされました。

最終的にオーストリア軍は大きな損失を被りましたが、逃走に成功しました。オーストリア側の損失は、士官21名、兵士2015名、馬235頭、さらに大砲や弾薬車を含む多くの装備を失いました。それに対し、フランス軍の損失は不明ですが、500人前後と推定されています。

後の影響

ロディの戦いは決定的な勝利とは言えませんでしたが、ナポレオンにとっては自己の優位性を確信する重要な出来事となりました。この戦いによって、彼は指揮官としての評判を高め、フランス軍は彼を「小伍長」と呼び始めました。この逸話は後のナポレオン神話の一部となり、彼の物語を大いに彩ることになりました。

結論

ロディの戦いはナポレオン戦争の中で特に重要な出来事の一つであり、彼の軍事的才能と戦略的洞察を際立たせた瞬間でした。この戦闘の結果として、ナポレオンの名声はさらに高まり、彼が歴史に名を刻む大きな一歩となったのです。

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