ロドニー・ハリソン

ロドニー・ハリソン：激しさと実力を兼ね備えた名S

ロドニー・スコット・ハリソン（Rodney Scott Harrison）は、1972年12月15日、イリノイ州マーカム出身のアメリカンフットボール選手。NFLのストロングセイフティ(SS)として活躍し、特にニューイングランド・ペイトリオッツ時代にはスーパーボウル連覇に大きく貢献しました。そのハードヒットを武器にした激しいプレースタイルは、しばしば物議を醸し「NFLで最もダーティーな選手」と評されることもありましたが、同時にチームを勝利に導く原動力として、ファンから愛されました。

現在はNBCのフットボール解説者として活躍しています。

サンディエゴ・チャージャーズ時代

1994年のNFLドラフトで、ハリソンはAFC西地区のサンディエゴ・チャージャーズに入団。同年、チームは初のスーパーボウル出場を果たしますが、サンフランシスコ・49ersに敗れました。2年目の1995年シーズンにはチームトップの5インターセプトを記録。翌1996年からはスターターとして全試合に出場し、チーム2位の125タックル、チームトップの5インターセプトを記録しました。

1998年には初のプロボウルとオールプロ選出を果たすなど、チームの中心選手として活躍しました。2000年シーズンにはキャリア最高の成績を収めましたが、チームは低迷。2002年シーズン終了後、サラリーキャップの問題でチームを去ることになりました。

チャージャーズでの9年間で、ハリソンは759タックル、26インターセプト、21.5サックを記録。LBジュニア・セアウと共にディフェンスの要として活躍しました。

ニューイングランド・ペイトリオッツ時代

2003年シーズン、フリーエージェントとなったハリソンは、ニューイングランド・ペイトリオッツと6年契約を結びました。当時ペイトリオッツにはベテランSロウヤー・ミロイが在籍していましたが、チームはサラリーキャップの問題からシーズン開幕前にミロイを放出しバッファロー・ビルズと契約しました。

ハリソンは加入後すぐにチームにフィットし、その激しいプレースタイルでディフェンスを活性化。2003年、2004年とチームはスーパーボウルを連覇し、ハリソンもその勝利に大きく貢献しました。

2007年シーズンには、薬物規定違反で4試合の出場停止処分を受けましたが、復帰後もチームに貢献。レギュラーシーズン全勝を達成したチームのスーパーボウル進出に貢献しました。

2008年シーズンは怪我に苦しみ、チームもプレーオフ進出を逃しました。

引退とその後

2009年1月3日、ハリソンは引退を表明。引退後はNBCのフットボール解説者として活躍しています。ペイトリオッツのビル・ベリチックHCは、「今まで指導した中で最高の選手の一人だ」とハリソンを称えました。

選手としての評価

ハリソンは、2度のプロボウル選出、3度のオールプロ選出という実績に加え、チャージャーズ、ペイトリオッツの両チームから高い評価を受けています。また、リーグ屈指のハードヒッターとしても知られ、スポーツ・イラストレイテッドが発表した「NFLトップ10ハードヒッター」では第7位に選出されました。

キャリア30.5サックはディフェンスバックとしてはNFL史上最多記録です。

ダーティー・プレイヤーという評価

その激しいプレースタイルから、ハリソンは「ダーティー・プレイヤー」と評されることもありました。実際、危険なプレーでキャリアを通じて20万ドル以上の罰金を課されています。

しかし、ハリソン本人は「多くの人が俺のことをダーティーな選手と呼ぶが、俺は情熱的なプレイヤーだ」と反論しています。

殿堂入りへの不満

引退後、ハリソンは自身の殿堂入りについて、「ほぼないだろう」と語り、プロボウル選出が2回と少ないことにも不満を示しました。その上で「数字を見ればわかることだ。俺のインパクトはそこにある」と、自身の貢献を強調しました。

ロドニー・ハリソンは、その激しいプレースタイルと高い実力で、NFL史に名を残す名選手と言えるでしょう。

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