ロドルフォ・リピツァー賞国際ヴァイオリン・コンクール

ロドルフォ・リピツァー賞国際ヴァイオリン・コンクール

ロドルフォ・リピツァー賞国際ヴァイオリン・コンクール（伊: Concorso Internazionale di Violino “Premio Rodolfo Lipizer”）は、イタリア北東部のフリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州にある都市、ゴリツィアにおいて開催される、国際的な若手ヴァイオリン奏者のための音楽コンクールです。

概要

このコンクールは、ゴリツィア出身の著名なヴァイオリニスト、ロドルフォ・リピツァー（Rodolfo Lipizer, 1895年 - 1974年）の功績を記念して設立されました。第1回大会は1982年に開催されています。

出場資格は、原則として開催時点で満35歳未満である世界各国のヴァイオリン奏者に与えられます。審査委員会は、イタリア国内の作曲家や、イタリアおよび海外の国際的に著名なヴァイオリニストたちによって構成されています。

コンクールの大きな特徴の一つとして、二次審査（セミファイナル）の課題曲に、イタリアの現代を代表する作曲家へ特別に依頼された新作が用いられる点が挙げられます。例えば、第42回（2023年）ではダニエレ・ザネットヴィッチ、第43回（2024年）ではジョヴァンニ・アルビニがそれぞれ楽曲を提供しています。

入賞者には賞金が授与され、中でも第1位の受賞者には1万ユーロが贈られます。

過去の開催と主な入賞者

本コンクールの公式ウェブサイトでは、過去の全ての開催における入賞者の詳細が掲載されています。以下に、初期の大会から近年に至る主要な入賞者の一部を抜粋して示します。

第1回（1982年）
第1位：Hae-Sun Kang （韓国）
第2位：久保田巧（日本）
第3位：永田邦子（日本）
第4位：木村恭子（日本）
第5位：ボリス・クシュニール （ソ連）
第2回（1983年）
第1位：木野雅之（日本）
第2位：Konstantin Stolanov （ベルギー）
第3位：クリストフ・ポッペン （ドイツ）
第4位：クシシュトフ・ヴェグルジーン （ポーランド）
第5位：Olga Nodel （ソ連）
第3回（1984年）
第1位：該当者なし
第2位：クシシュトフ・ヴェグルジーン （ポーランド）
第3位：Marco Fornaciari （イタリア）
第4回（1985年）
第1位：該当者なし
第2位：テディ・パパヴラミ （アルバニア）
第3位：Sung-Sie Yang （韓国）、クリストフ・スミエタナ （ポーランド）、ジュラ・シュトュッレール （ハンガリー）
第5回（1986年）
第1位：アレクサンドル・ドゥバッハ （スイス）
第2位：Lyndon Daniel Taylor （アメリカ）
第3位：該当者なし
第6回（1987年）
第1位：Maximilian Schoner （オーストリア）
第2位：Stephan Picard （西ドイツ）
第3位：アラ・マリキアン （レバノン）、菊地裕美（日本）
第7回（1988年）
第1位：Kun Hu （中国）
第2位：ジャン＝マルク・フィリップス＝ヴァルジャベディアン （フランス）
第3位：Kazimier Olechowski （ポーランド）
第8回（1989年）
第1位：セルゲイ・クリロフ （ソ連）
第2位：フランチスカ・ピーチ （西ドイツ）
第3位：イグナス・ジャン （フランス）
第4位：植村理葉（日本）
第9回（1990年）
第1位：菅野美絵子 （日本）
第2位：Myriam Dal Don （イタリア）
第3位：グレブ・ニキティン （ソ連）
第10回（1991年）
第1位：リヴィウ・プルナール （ルーマニア）
第2位：バーバラ・ブルクドルフ （ドイツ）
第3位：Mario Korunic （ユーゴスラヴィア）、フリーデマン・アマデウス・トライバー （ドイツ）
第11回（1992年）
第1位：アナスタシア・チェボタリョーワ（ロシア）
第2位：Chang Guo （中国）
第3位：ジョヴァンニ・アンジェレーリ （イタリア）、ロラン・ゲーレン （オランダ）、石橋幸子（日本）
第12回（1993年）
第1位：ステファン・ミレンコヴィッチ （ユーゴスラヴィア）
第2位：Gabriele Pieranunzi （イタリア）
第3位：エマヌエーレ・バルディーニ （イタリア）
第13回（1994年）
第1位：該当者なし
第2位：Nicolas Gourbeix （フランス）、イゴール・マリノフスキー （ロシア）
第14回（1995年）
第1位：クリストフ・バラティ （ハンガリー）
第2位：フローリン・クロイトル （ルーマニア）
第3位：ジョヴァンニ・アンジェレーリ （イタリア）、Andreas Zumthor （スイス）
第15回（1996年）
第1位：ターニャ・ベッカー＝ベンダー （ドイツ）
第2位：Rodion Petrov （ロシア）
第3位：Aroussiak Baltaian （ブルガリア）
第16回（1997年）
第1位：Yana Deshkova （ブルガリア）
第2位：Sergey Levitin （ロシア）
第3位：Yi-Fang Huang （台湾）
第4位：小野明子 （日本）、田中晶子 （日本）
第17回（1998年）
第1位：該当者なし
第2位：Daniel Kobyliansky （イスラエル）
第3位：François Sochard （フランス）
第18回（1999年）
第1位：イージャ・スザンヌ・ホウ （カナダ）
第2位：小野明子 （日本）、Rodion Zamuruev （ロシア）
第19回（2000年）
第1位：バイバ・スクリデ （ラトヴィア）
第2位：グラフ・ムリャ （ロシア）
第3位：Shlomo Dobrinsky （イスラエル）
第4位：坪井悠佳 （日本）
第20回（2001年）
第1位：岡崎慶輔 （日本）
第2位：Michael Hsu-Wartha （ドイツ/台湾）、Jin-Woo Lee （韓国）
第21回（2002年）
第1位：日下紗矢子 （日本）
第2位：糸井真紀 （日本）
第3位：Mayra Adjei-Salinas （ドイツ）
第4位：宮下綾子 （日本）
第5位：ヴァディム・ツィジク （ロシア）
第6位：乾ノエ （ギリシア/日本）
第22回（2003年）
第1位：ジジョン・ワン （中国）
第2位：ヴァレンティーナ・スヴィヤトロフスカヤ （ロシア）
第3位：Dimiter Ivanov （ドイツ）、アンタル・ザライ （ハンガリー）
第5位：加藤えりな （日本）
第23回（2004年）
第1位：アンタル・ザライ （ハンガリー）
第2位：アンドレアス・純・ヤンケ （ドイツ）
第3位：Jae-Won Lee （韓国）、Yvonne Smeulers （オランダ）
第24回（2005年）
第1位：Roman Simovic （ロシア）
第2位：該当者なし
第3位：該当者なし
第25回（2006年）
第1位：アモリ・コエトー （フランス）
第2位：Yoon Shin Song （韓国）
第3位：Eung Soo Kim （韓国）
第26回（2007年）
第1位：Wonhee Bae （韓国）
第2位：レア・ビリンガー （ドイツ）
第3位：ルザンダ・パンフィリ （モルドバ）
第27回（2008年）
第1位：Artur Chermonov （キルギスタン）
第2位：Byol Kang （韓国）
第3位：アンドレイ・バラーノフ （ロシア）、Mikhail Pochekin （ロシア）
第28回（2009年）
第1位：該当者なし
第2位：シニ＝マーリア・シモネン （フィンランド）
第3位：トマ・ルフォール （フランス）
第29回（2010年）
第1位：該当者なし
第2位：Dmitry Serebrennikov （ロシア）
第3位：Suliman Tekalli （アメリカ）
第4位：小林正枝 （日本）、Laura Park Chen （アメリカ）
第30回（2011年）
第1位：ステファン・タララ （ドイツ）
第2位：Ermir Abeshi （アルバニア）、マリア・ミルシテイン （ロシア）
第31回（2012年）
第1位：Ying Fu （中国）
第2位：Jaewon Kim （韓国）、Jae Hyeong Lee （韓国）
第5位：森園康香 （日本）
第32回（2013年）
第1位：フョードル・ルディン （ロシア）
第2位：Amalia Hall （オランダ）
第3位：David Petrlik （フランス）
第33回（2014年）
第1位：該当者なし
第2位：倉冨亮太 （日本）
第3位：松山総留 （日本）
第34回（2015年）
第1位：パオロ・タリアメント （イタリア）
第2位：ガブリエーレ・チェーチ （イタリア）
第3位：Nitzan Bartana （イスラエル）
第35回（2016年）
第1位：オルガ・スロウブコヴァ （チェコ）
第2位：Lorenz Chen （ドイツ）
第3位：James Dong Jun Di （オーストラリア）、Hayato Ishibashi （日本）
第5位：中村太地 （日本）
第36回（2017年）
第1位：Jung Yoon Yang （韓国）
第2位：Vasyl Zatsikha （ウクライナ）
第3位：中村太地 （日本）
第37回（2018年）
第1位：Matthew Hakkarainen （アメリカ）
第2位：ハウィジッヒ・エルダース （フランス）
第3位：Simon Ximeng Zhu （ドイツ）
第5位：栗原壱成 （日本）
第38回（2019年）
第1位：該当者なし
第2位：栗原壱成 （日本）
第3位：Chaofan Wang （中国）
第39回（2020年）
第1位：Karen Su （米国）
第2位：SongHa Choi （ドイツ/韓国）
第3位：Anne Maria Wehrmeyer （ドイツ）
第40回（2021年）
第1位：該当者なし
第2位：Teofil Milenkovic （イタリア）
第3位：Bohdan Luts （ウクライナ）
第41回（2022年）
第1位：Ruslan Talas （カザフスタン）
第2位：木村和奏 （日本）
第3位：Xunyue Zhang （中国）
第6位：佐々木美緒 （日本）
第42回（2023年）
第1位：Ziling Guo （中国）
第2位：垣内絵実梨 （日本）
第3位：Elena Luisa Schwalbe （ドイツ）
第6位：佐藤玲果 （日本）
第43回（2024年）
第1位：Aozhe Zhang （中国）
第2位：Yun Tang （中国）
第3位：Bo Cui （中国）

これらの入賞者リストは、コンクールの国際的な性格と、若手ヴァイオリニストの育成における重要性を示しています。公式ウェブサイトには、これ以外の順位の入賞者や、さらに詳しい情報が掲載されています。

（注：入賞者リストは提供された情報に基づき作成しています。）

関連情報

* ロドルフォ・リピツァー（コンクールの名称の由来となったヴァイオリニスト）

より詳細な情報や最新の開催については、コンクールの公式ウェブサイトをご参照ください。

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