ロバート・スモールズ (ミサイル巡洋艦)

ロバート・スモールズ (USS Robert Smalls, CG-62) の概要

ロバート・スモールズは、アメリカ海軍のタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦の16番艦です。この艦はもともと「チャンセラーズビル」と呼ばれており、その名は南北戦争の「チャンセラーズヴィルの戦い」に由来しています。この戦いは南軍が勝利を収めたものであり、艦名の選定はその歴史的な意義を反映しています。しかし、2023年2月27日にアメリカ海軍はこの艦の艦名を、奴隷解放運動の先駆者であり、南北戦争中に重要な功績を挙げたロバート・スモールズ下院議員から名付けることを発表しました。

艦歴

チャンセラーズビルの運用

チャンセラーズビルは、日本の横須賀基地を母港として、太平洋においてアメリカ海軍の主力として活躍してきました。特に、キティホークを中心とした空母打撃群の防空任務を担っていました。この艦は、2006年にはシャイローと艦籍換え（シップ・スワップ）を行い、新たにカリフォルニア州サンディエゴが母港となりましたが、乗組員はそれぞれの母港に留まる形となりました。

技術とアップグレード

2012年からは、ミサイル防衛能力向上を目的としたイージスシステムのアップグレードに着手し、2014年にはそのアップグレードが完了しました。しかし、その試験中の2013年11月16日、無人標的機BQM-74が艦の左舷上構に衝突する事故が発生。これにより、約90センチメートルの破孔が開き、乗組員の中には軽傷を負った者もいました。

近年の活動

2015年6月18日、アメリカがアジア重視戦略を進める中で、横須賀基地に配備されました。さらに、2017年までに第7艦隊に加わる予定のイージス艦の一隻として指名され、基本的な弾道ミサイル防衛機能は持たない対空戦特化型として、最新のベースライン9Aのイージスシステムを搭載しています。

2022年8月28日、僚艦のアンティータムと共に台湾海峡を通過し、この海峡が国際的な海域であることを示しました。また同年11月29日には、航行の自由を守る作戦の一環として南シナ海で、中国が管理するファイアリー・クロス礁付近を航行しました。

艦名の改名

2023年の艦名変更は注目を集めました。ロバート・スモールズは、南北戦争中に自らの蒸気船「プランター」を鹵獲し脱出を遂げ、米海軍にその船と物資を引き渡したことで名を遺しました。この改名は彼の功績を称える形で行われたものです。

アメリカ海軍は、ロバート・スモールズを2026年まで運用する計画を立てています。艦名変更と共に新たな時代を迎えたこの艦は、今後も海軍の重要な一翼を担い続けるでしょう。

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