ロビン・シック

ロビン・アラン・シックは、1977年 3月10日にアメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルスで生まれた多才なアーティストです。シンガーソングライター、ミュージシャン、音楽プロデューサー、そして俳優としての顔を持ちます。

人物

ロビン・シックは、エンターテイメント界で活躍する両親のもとに育ちました。父親は、人気コメディドラマ『愉快なシーバー家』のジェイソン・シーバー役で広く知られ、エミー賞やゴールデングローブ賞にもノミネートされたカナダ人俳優のアラン・シックです。母親は、昼ドラ『デイズ・オブ・アワ・ライブス』のリズ・チャンドラー役などで知られる女優であり歌手のグロリア・ローリング。また、1974年生まれの兄ブレナンは、かつて1980年代半ばに声優として活動していました。

私生活では、16歳の頃から女優のポーラ・パットンと交際を始め、2005年に結婚。息子ジュリアン・フエゴ・シックをもうけましたが、後に離婚しています。アメリカ合衆国とカナダの二重国籍を保持しており、現在はカナダのブリティッシュコロンビア州バンクーバーに居住しています。身長は187cmです。

音楽活動

ロビン・シックの音楽キャリアは、自身が表舞台に出る前から始まりました。まだ10代の頃からソングライターやプロデューサーとして活動し、マイアへの楽曲「No Tears on My Pillow」の提供、ブランディの「Love Is on My Side」への貢献、さらにはクリスティーナ・アギレラのデビューアルバムへの参加など、数々のアーティストの作品に携わりました。特に1996年には、わずか19歳でカラー・ミー・バッドのヒット曲「Sexual Capacity」を作曲・共同プロデュースし、R&Bチャートで20位に入る成功を収めています。その後も、ブラウンストーンやケヴォン・エドモンズといったアーティストのアルバムに作曲家として参加し、その才能を発揮しました。

2002年には「シック（Thicke）」名義でデビューアルバム『Cherry Blue Skies』を発表しますが、後に内容を変更し、『A Beautiful World』と改題して2003年に再リリースしました。このアルバムのジャケットには、当時の恋人であったポーラ・パットンが起用されています。アルバムは全米ビルボードアルバムチャートで152位と控えめな順位でしたが、リードシングル「When I Get You Alone」はオーストラリア、ニュージーランド、イタリア、オランダ、ベルギーなど、海外の多くの国でチャートのトップ20入りを果たし、オーストラリアではゴールドディスクを獲得するなど、国際的な反響を得ました。

その後、名義を「ロビン・シック（Robin Thicke）」に変更し、ファレル・ウィリアムスのレーベルであるスタートラックと契約。2006年には、ファレル・ウィリアムスをプロデューサー兼フィーチャーに迎え、フェイス・エヴァンスやリル・ウェインといった著名なゲストアーティストも参加した2枚目のアルバム『イヴォリューション・オブ・ロビン・シック〜ロビン・シックの進化論』をリリースしました。このアルバムは、全米ビルボードアルバムチャートで最高5位、米国ビルボードR&B/ヒップホップアルバムチャートでは1位を記録し、アメリカ合衆国でプラチナディスクに認定されるなど、大きな成功を収めました。このアルバムからのシングル「ロスト・ウィザウト・U (Lost Without U)」は、ミュージックビデオでポーラ・パットンと共演し、全米ビルボードシングルチャートで14位、米国ビルボードホットR&B/ヒップホップソングスで1位、全英シングルチャートで11位となるヒットとなり、『ブラード・ラインズ』が登場するまで、彼の最大の成功を収めたシングルとなりました。

アーティストとしての活動と並行して、プロデューサーとしても精力的に活動を続けました。ジェニファー・ハドソンのデビューアルバム、アッシャーの2004年のアルバム『Confessions』、リル・ウェインの2005年の『Tha Carter II』および2008年の『Tha Carter III』といった、R&Bやヒップホップ界の重要アーティストの作品にプロデューサーとして参加し、その手腕を発揮しています。

2008年9月30日には3枚目のアルバム『Something Else』をリリース。リル・ウェインがゲスト参加したこのアルバムは、全米ビルボードアルバムチャートで最高3位を記録し、発売初週に13万枚以上を売り上げました。

2009年には、当時のパートナー、ポーラ・パットンが出演した映画『プレシャス』の楽曲をプロデュースする企画に関わりました（後に他の楽曲に差し替え）。同年には、テレビドラマ『ゴシップガール』で知られる女優レイトン・ミースターのデビューシングル「サムバディ・トゥ・ラブ」にフィーチャリングアーティストとして参加しています。

2009年12月15日に発売された4枚目のアルバム『Sex Therapy: The Session』には、ジェイ・Z、ニッキー・ミナージュ、エステル、スヌープ・ドッグ、キッド・カディ、ゲームといった豪華アーティストが多数フィーチャーされました。このアルバムは全米ビルボードアルバムチャートで最高9位となり、初週で12万枚以上のセールスを記録しました。

2011年12月6日リリースの5枚目のアルバム『Love After War』は、全米ビルボードアルバムチャートで最高22位となり、初週約4万枚を売り上げました。

そして、2013年3月26日に先行シングルとしてリリースされた「ブラード・ラインズ〜今夜はヘイ・ヘイ・ヘイ♪」が、ロビン・シックのキャリアにおいて最大の成功をもたらしました。この楽曲は米Billboard Hot 100チャートで12週連続1位という驚異的な記録を樹立したほか、全英シングルチャートをはじめ世界各国のチャートで軒並み首位を獲得する歴史的な大ヒットとなりました。特に米ビルボードのHot R&B/Hip-Hop Songsチャートでは、16週連続1位という、ニールセン・サウンドスキャンの集計が導入された1992年以降の最長1位記録を更新しました。同チャートの歴史全体で見ても、ジョー・リギンスやルイ・ジョーダンに次ぐ、歴代4位タイの記録です。このシングルの成功に続き、2013年6月にリリースされた6枚目のアルバム『ブラード・ラインズ』も、イギリスとアメリカの両国で初登場1位を獲得。アメリカでは初週17万枚以上を売り上げるなど、アルバムも世界的な成功を収め、ロビン・シックの名前を広く知らしめることとなりました。

主なアルバム

『A Beautiful World』（2003年）
『イヴォリューション・オブ・ロビン・シック〜ロビン・シックの進化論』（2006年）
『Something Else』（2008年）
『Sex Therapy: The Session』（2009年）
『Love After War』（2011年）
『ブラード・ラインズ』（2013年）

主なシングル

When I Get You Alone (2003)
ロスト・ウィザウト・U Lost Without U (2007)
ブラード・ラインズ〜今夜はヘイ・ヘイ・ヘイ♪ Blurred Lines (2013)
Give It 2 U (2013)

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