ロブ・ハーパー

ロブ・ハーパー（Rob Harper、1955年11月28日 - ）は、イギリスのミュージシャンであり、ザ・クラッシュの初期ドラマーとして知られています。彼は1976年12月から1977年1月までの短い期間、この伝説的なパンクバンドに在籍していました。

ハーパーの音楽キャリアは、学生時代に始まりました。当初はギターを演奏していましたが、マーク・ノップラーをボーカルとして迎えた際、ノップラーにギターを任せ、自身はベースに転向しました。彼らが結成したバンド、ザ・カフェ・レーサーズという名前はノップラーの発案によるものです。カレッジ卒業後、ハーパーはサセックス大学に進学。ノップラーから、後にダイアー・ストレイツとなるバンドへの参加をベースとして誘われましたが、学業に専念するため、この誘いを断りました。

サセックス大学時代には、ウィリアム・ブロード（後のビリー・アイドル）、スティーヴ・アップストーンと共にザ・ロケッツというバンドを結成し、リードギターを担当しました。

1976年12月、ハーパーはザ・クラッシュに加入し、セックス・ピストルズの悪名高い『アナーキー・ツアー』をサポートしました。しかし、このツアーは過激な内容が問題視され、多くの会場でキャンセルされる事態となりました。

ツアー後、ハーパーはクラッシュを脱退。その後、テリー・チャイムズが後任ドラマーとして加入し、クラッシュのファーストアルバムのレコーディングに参加しました。ハーパーがクラッシュのスタジオ録音に参加した音源は存在しませんが、1976年12月9日にマンチェスターのエレクトリック・サーカスで行われたライブの海賊版が出回っており、彼の演奏を聴くことができます。

クラッシュ脱退後、ハーパーはしばらくの間、南ロンドンのR&Bバンド、ザ・マローダーズでギターを演奏しました。このバンドは、UKサブズのチャーリー・ハーパーによって結成されたもので、UKサブズのオリジナルベーシストであり、ザ・ダズラーズのメンバーでもあったスティーヴ・スラックも在籍していました。

その後、ハーパーは短命に終わったパワーポップバンド、ザ・ダズラーズを結成し、ギターを担当しました（彼はドラムだけでなく、ギター、ベースも演奏することができました）。ザ・ダズラーズは、1979年の「ラヴリィ・クラッシュ」などのシングルをリリースし、トミー・ラモーンのプロデュースでアルバムのレコーディングも行いましたが、アルバムがリリースされる前に解散しました。

ハーパーは、複数の楽器を演奏できる多才なミュージシャンであり、様々なバンドで活躍しました。彼の音楽キャリアは、ザ・クラッシュという伝説的なバンドの初期メンバーとしての短い期間に留まらず、その後の活動においても多様な音楽性を発揮しました。

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