ロベルト・クラニエッツ

ロベルト・クラニエッツ： スロベニアの誇り高き元スキージャンプ選手

ロベルト・クラニエッツ（Robert Kranjec）は、1981年7月16日、スロベニアのクラーニで生まれました。彼は、長年にわたりスキージャンプ界を牽引し、数々の輝かしい実績を残した名選手として知られています。

デビューからオリンピックのメダル獲得まで

1998年3月13日、トロンハイムでのスキージャンプ・ワールドカップでデビューを果たしました。2002年のジャンプ週間インスブルックでは、自己最高の8位入賞を果たすなど、着実に実力をつけていきました。そして、2002年ソルトレークシティオリンピックでは、ダミヤン・フラス、プリモジュ・ペテルカ、ペテル・ジョンタと共に団体銅メダルを獲得し、その名を世界に知らしめました。

2003年の世界選手権ではラージヒルで6位入賞を果たし、その才能を改めて証明しました。

ワールドカップ初優勝とゴールドビブス

2005-2006シーズン、クラニエッツは更なる飛躍を遂げます。開幕シリーズ（フィンランド、クーサモ）で3位と1位を獲得し、自身初のワールドカップ優勝を飾りました。この活躍により、彼は総合1位の証であるゴールドビブスを着用することになりました。このシーズンは、自己最高位となるワールドカップ総合16位で終えました。しかし、2006年トリノオリンピックでは、個人ノーマルヒル41位、個人ラージヒル49位と、本来の力を発揮できませんでした。

サマーグランプリ優勝とバンクーバーオリンピック

2009年8月30日、サマーグランプリ（日本、白馬）で勝利し、再びその存在感を示しました。2010年1月9日には、フライングでワールドカップ通算2勝目をあげ、2010年バンクーバーオリンピックでは、個人ノーマルヒルで6位入賞、個人ラージヒルは9位、団体では8位という結果を残しました。2009-2010シーズンのワールドカップ総合では、自己最高位の10位となりました。

世界選手権メダルとスキーフライングでの活躍

2011年ノルディックスキー世界選手権では、ラージヒル団体でペテル・プレヴツ、ユーリ・テペシュ、イェルネイ・ダミヤンと共に銅メダルを獲得しました。2011-2012シーズンは、ワールドカップで2勝（いずれもフライング）、スキーフライング世界選手権では個人金メダル、団体銅メダルを獲得し、フライングにおける圧倒的な強さを見せつけました。

クラニエッツは、世界でも優れた飛型を持つ選手として知られており、特にフライングを得意としていました。ワールドカップ通算7勝のうち6勝がフライングによるものです。

引退とその後

近年は故障に悩まされていたクラニエッツですが、2019年3月20日にソーシャルメディアを通じて引退を発表しました。3月21日には、地元スロベニアのプラニツァで行われたワールドカップ個人戦第27戦の予選に出場しましたが、47位に終わり、惜しくも予選通過はなりませんでした。しかし、3月23日には、同地で行われたワールドカップ団体第7戦のインターバルに、娘のPika Felicijacと共に引退ジャンプを行い、多くのファンに感動を与えました。また、ペテル・プレヴツの計らいで、スロベニアチームの一員として表彰台に登壇し、有終の美を飾りました。

ロベルト・クラニエッツは、その卓越した技術と美しい飛型で、多くの人々に感動を与え続けています。彼の功績は、スロベニアのスキージャンプ界に永遠に刻まれることでしょう。

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