ロベルト・コッホ賞

ドイツ連邦共和国において、ロベルト・コッホ賞は医学研究分野で最も名誉があり、賞金額も高い学術賞の一つとして広く認知されています。この賞は、19世紀後半に結核菌を発見した高名な細菌学者ロベルト・コッホ自身が、彼の結核研究を支援する目的で設立に関わったことに由来します。結核菌発見時には多くの国際的な支援が集まり、その精神が賞の基盤となっています。

ロベルト・コッホ賞は、主に微生物学および免疫学の領域における優れた業績を称えるものです。医学研究における新しい発見や、長年にわたる功績に対して贈られます。

この賞は、「コッホ賞」と「ロベルト・コッホ・ゴールドメダル（コッホ・ゴールドメダル）」という二つの異なる表彰から構成されています。

「コッホ賞」は、医学研究において特に革新的な発見やブレークスルーを成し遂げた研究者に対して授与され、ロベルト・コッホ財団から10万ユーロの賞金が贈られます。

一方、「ロベルト・コッホ・ゴールドメダル」は、医学研究の分野で長年にわたり顕著な功績を積み重ね、その業績が医学の進歩に大きく貢献した研究者に対して贈られます。

以下に、歴代の受賞者の一部をご紹介します。この賞は長年にわたり多くの傑出した科学者たちに授与されており、その全リストは膨大です。ここに挙げるのは、ごく一部の例です。

コッホ賞 受賞者（一部）

1960年: Hugo Braun, ルネ・デュボス, 海老名敏明, Ludwig Heilmeyer, Franz Redeker, Josef Tomczik
1962年: ジョン・フランクリン・エンダース, アルバート・サビン, ジョナス・ソーク
1963年: 吉田富三
1975年: ハラルド・ツア・ハウゼン, Heinz-G. Wittmann
1986年: 利根川進
1992年: キャリー・マリス
1999年: ラルフ・スタインマン
2004年: ジュール・ホフマン, ブルース・ボイトラー, 審良静男
2008年: ハンス・シェラー, アービン・ワンスマン, 山中伸弥
2012年: 本庶佑
2020年: 坂口志文
2022年: Philip Felgner, ドリュー・ワイスマン

ロベルト・コッホ・ゴールドメダル 受賞者（一部）

1974年: Paul Kallós
1977年: ピエール・グラバー
1980年: エミー・クラインバーガー=ノーベル
1986年: エルンスト・ルスカ
1989年: モーリス・ヒルマン
1997年: 大村智
2003年: 岸本忠三
2013年: アンソニー・ファウチ
* 2024年: スチュアート・シュライバー

ロベルト・コッホ賞は、医学分野、特に感染症や免疫学の研究における国際的な成果を評価する重要な指標となっています。ノーベル生理学・医学賞など、他の著名な医学・科学賞と並び称される権威を持っています。

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