ロベルト・ロカテリ

ロベルト・ロカテリ：イタリアが生んだ125ccチャンピオンの軌跡

ロベルト・ロカテリ (Roberto Locatelli, 1974年7月5日生まれ) は、イタリア・ベルガモ出身のオートバイレーサーとして、ロードレース世界選手権の歴史に名を残す人物です。1993年にはイタリア国内選手権でチャンピオンに輝くなど、早くからその才能を顕示していました。1994年には、世界選手権125ccクラスにワイルドカード枠で初出場。デビュー戦でいきなりポールポジションを獲得する鮮烈なデビューを飾り、大きな注目を集めました。

その後、250ccクラスへの挑戦を経て、1997年に125ccクラスに復帰。ホンダ、アプリリアとマシンを乗り換えながら着実に経験を積み重ね、1999年にはVasco Rossi Racingに移籍、アプリリアマシンで2連勝を飾るなど、トップライダーとしての地位を確立していきます。

そして2000年、満を持して迎えたシーズン、ロカテリはVasco Rossi Racingに留まり、5勝、8度の表彰台、8度のポールポジションを獲得、230ポイントという圧倒的な成績で、125ccクラスのワールドチャンピオンに輝きました。

2001年以降は250ccクラスに本格参戦。ホンダ、アプリリアと異なるメーカーのマシンを駆りながら、経験を活かし安定した走りを見せますが、ワークスチームでのシート獲得には恵まれず、シリーズ8位という結果に終わりました。2003年には再び125ccクラスに復帰しKTMチームに所属しましたが、思うような結果を残せず、18ポイント、シリーズ24位と苦戦を強いられました。

2004年はルーチョ・チェッキネロのチームに移籍し、再びアプリリアで2勝、シリーズ3位と復活を遂げます。しかし、2005年から125ccクラスに年齢制限が導入され、30歳だったロカテリは250ccクラスに復帰せざるを得なくなりました。2005年は表彰台に上ることはできませんでしたが、2006年にはTeam Tothに移籍、劣勢の中、全レース10位以内という安定した走りで3度の表彰台を獲得し、シリーズ5位という好成績を収め、ベスト・プライベーター賞を受賞しました。

2007年にはジレラに移籍、ワークスマシンに匹敵するマシンを得て、さらなる飛躍が期待されましたが、シーズン2戦目ヘレスで大きな転倒事故に遭い、顔面骨折、足首開放骨折、肺損傷という重傷を負いました。それでも僅か2ヶ月半後にはカタルニアGPで復帰を果たすなど、驚異的な回復力を見せました。

怪我の影響もあり、2007年はシリーズ13位に終わりますが、ジレラに留まり、2008年には通算200戦を達成。2009年シーズンは、クラス最年長ライダーとして戦い、フランスGPで表彰台を獲得するなど、ベテランらしい活躍を見せました。そしてシーズン終了後、16年にわたるグランプリ生活に終止符を打ちました。

引退後は、アプリリア・ジュニアGPチームでスポーティング＆テクニカル・コーディネーターとして若手育成に携わっています。ロベルト・ロカテリは、類まれな才能と不屈の精神で、世界中のモータースポーツファンを魅了し続けた、真のレーサーと言えるでしょう。彼の功績は、ロードレース世界選手権の歴史に永遠に刻まれることでしょう。

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