ロベレ将軍

映画『ロベレ将軍』について

『ロベレ将軍』（原題：Il generale Della Rovere）は、1959年にイタリアで製作されたモノクロ映画です。第二次世界大戦末期のイタリアを舞台に、一人のペテン師が、ある出来事をきっかけに愛国心に目覚めていく姿を描いています。この作品は、1959年のヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞しており、その高い芸術性と感動的なストーリーは、今もなお多くの人々に愛されています。

ストーリーの概要

1943年、イタリアは連合軍に降伏しますが、北イタリアではナチス・ドイツが傀儡政権を樹立し、戦争は続いていました。各地で抵抗運動が活発化する中、ジェノヴァではパルチザンにロベレ将軍が派遣される予定でした。

主人公のエマニュエーレ・バルドーネは、口が上手く、人を騙して金銭を巻き上げるペテン師でした。しかし、ある時、ゲシュタポに逮捕され、その際に、自分が釈放される代わりに、スパイとして刑務所に潜入するという取引をします。ちょうどその時、ロベレ将軍が射殺され、ゲシュタポはバルドーネに将軍の身代わりを演じさせることにしたのです。

バルドーネは、刑務所内で将軍として振る舞う中で、多くの人々の勇気と忠誠心に触れます。拷問に屈せず死んでいく受刑者、そして将軍を敬愛する夫人からの手紙。これらの出来事を通して、バルドーネは自身の内なる愛国心に気づき始めます。そして、最後には、自ら将軍としての役割を全うすることを決意し、銃殺刑に処される道を選びます。彼は死を前に、夫人に宛てて「死を前に思うのは君のことだ。イタリア万歳」というメモを残します。

キャスト

エマニュエーレ・バルドーネ：ヴィットリオ・デ・シーカ
ミュラー大佐：ハンネス・メッセマー

作品の背景と評価

この映画の原作は、ジャーナリストで作家のインドロ・モンタネッリが書いた小説です。物語は実話に基づいており、第二次世界大戦下のイタリアにおける抵抗運動の様子と、人間の内面の変化を描いています。当初、主人公バルドーネ役には、リノ・ヴァンチュラが予定されていましたが、最終的にはヴィットリオ・デ・シーカが演じることになりました。

映画が持つテーマ

この作品は、戦争という極限状態の中で、人間の尊厳や愛国心、そして自己犠牲といったテーマを深く掘り下げています。また、ペテン師であった主人公が、将軍を演じることを通して、人間として成長していく姿は、観る者に感動と深い問いを投げかけます。映画全体を通して、観客は登場人物たちの勇気と犠牲に心を揺さぶられ、人間の精神的な強さを感じることができます。

関連情報

映画の國名作選I イタリア編: 日本での特集上映のサイト（2010年）
ロベレ将軍 - allcinema
ロベレ将軍 - KINENOTE
Il Generale Della Rovere - オールムービー（英語）
Il generale della Rovere - IMDb（英語）
General Della Rovere - TCM Movie Database（英語）
* IL Generale della Rovere (General della Rovere) - Rotten Tomatoes（英語）

これらの情報源から、さらに深く映画『ロベレ将軍』について知ることができます。

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