ロボコップ (架空のサイボーグ)

ロボコップ

ロボコップは、映画『ロボコップ』シリーズに登場するサイボーグの名前です。一般的には、映画の登場人物であるアレックス・マーフィー巡査の遺体から作られたサイボーグを指しますが、作中では固有名詞というよりも「商品名」のような扱いがされています。

概要

ロボコップは全身が機械部品のみで構成されているわけではなく、一度死亡した人間の遺体からまだ細胞が死を迎えていない臓器を生体部品として再利用したサイボーグです。法的に人間としては認められていないことから人権も保有しておらず、表向きはロボコップを製作したコングロマリット企業「オムニ社」の開発したロボットの新製品として扱われています。また、「一度死亡した人間の脳や皮膚を利用する」というコンセプトなどから、同型のロボコップは量産されていない特注品です。基本的には、都市の治安維持と警察企業（作中では警察も営利経営です）の機能強化や、同警察企業の親会社であるオムニ社のイメージアップを狙う、宣伝用機材でした。

死亡した人間の臓器（主要なものは脳ですが）をロボットの部品として使用しているに過ぎないものとして、オムニ社に「モノ」として利用されていることが、作中の描写から見られます。相当な範囲の箇所が機械装置によって代替されてはいるものの、思考の基本部分はアレックス・マーフィー巡査のものであり、これに機械的な補助が加えられ、射撃や怪力などの面では超人的な能力を発揮します。

ロボコップが見聞したことは即座に電子情報（メモリー）として機械的に保存され、いつでも再生できることから、その証言は裁判では証拠として扱われます。また、内蔵の声紋分析ソフトなどを通じて証言の真偽をパーセントで判断できることから、基本的にはロボコップに嘘は通用しません。そのほか、腕部のニードル型の端子を外部データバンクに挿入することによるアクセスで、情報を参照することも可能となっています。ただし、電子情報ゆえに高圧電流の負荷に弱い面も持っています。

肉体（生体部分）としてはマーフィー自身の顔面の表皮や顔の骨格の一部が流用されているほか、脳が金属製の容器に封入する形で頭部に収められています。消化器官の一部にもマーフィー自身のものが流用されていますが、そのほとんどは省略化されており、脳や顔面などわずかな生体部分に栄養供給を行う程度でしかなく、ベビーフードのような非常に消化の良い食品しか口にできません。なお、作中ではロボコップ専用のフードディスペンサーもデトロイト市警に配備されていますが、一般の瓶入りのベビーフードでも特に問題は発生しないようです。

一度は記憶を消されてロボコップとして蘇生したマーフィーの意識は、物語の途中で復活します。それ以降は自身を「ロボコップ」ではなく「マーフィー」と名乗るなど、人間的な反応も見せるようになりましたが、彼の直接の死因となった脳の損傷部分がコンピュータによって代行されてもいるため、この部分のプログラムが書き換えられた際には人間性を喪失してしまうことが、たびたび描かれています。このコンピュータはコマンドラインインタプリタで動作しており、自然言語で作成された優先コマンドをコード入力することによってロボコップの行動を制限させることが可能です。法を適切に執行すること、「犯罪者の逮捕」や「弱者の保護」といったおよそ警官らしいものから、製作元であるオムニ社幹部の命令を優先させたりといった、「オムニ社にとっては都合の良い」指令も組み込まれています。通常、ロボコップはインプットされた指令にのみ忠実に対応しますが、マーフィーが自らの正義感と照合してそれを拒否した場合には、強靭な意志によって書き換えることがあります（前述の電子情報が高圧電力に弱いことを逆手に取り、それを利用することもあります）。

特殊なチタン製の合金と防弾ゴムによって強固な防弾機能を備えた身体は、拳銃の弾丸程度ではほとんどダメージを受けません。そのため、犯罪捜査や逮捕では、わざと犯罪者から見える位置に移動して撃たれることで犯罪者の位置をレーダーやセンサーで確認し、ほとんど目視せずに射撃することが可能です。射撃の正確さも相当に高く、狙撃銃で狙われた際には照準器を撃ち抜き、狙撃者の眼に弾丸を命中させるという離れ業を実行したことがあります。その反面、身軽ではないことから、対物用の重火器で攻撃された場合や、高速機動を得意とする敵と対峙した場合には、それぞれ致命的な損傷を被っています。また、使用する火器は主に対人装備でもあることから、強固な装甲を持った敵を相手にした際には、苦戦を強いられています。

ただ、マーフィーが危機的な状況に際してもあきらめない生存欲求を持つ優秀な人物であることに加え、周囲からの信頼が厚かったこともあり、劣勢に苦しめられてなおロボコップは周囲にも助けられて雪辱を果たしています。

武装

オート9: ロボコップの標準装備の拳銃。通常は左大腿部に格納されています。
コブラ・アサルト・キャノン: 対戦車ライフル。
パウザ・P50: ロボコップ2号（ケイン）の暴走時に、ロボコップが狙撃に使用。
ガンアーム: 左腕を外して装着される強化アタッチメント。
フライトパック（試作品）: ロボコップの飛行を可能にする。
データスパイク: 右手の甲に内蔵された接続端子。
パック（小型吸着爆弾）: 投擲後に磁力で吸着させる爆発物。
エアバッグ: 暴徒鎮圧用。
タグガン: 小型追跡タグ発射装置。
シリコンスプレー: 暴徒鎮圧用。
* スパイク: 足の裏から射出される強固なスパイク。

ロボコップ2号

初代ロボコップの後継機として開発されました。

オートモ

オムニ社を買収した日本企業により送り込まれた忍者アンドロイド。

2014年版の映画に登場するロボコップ

遺体の一部を再利用する形であった原典とは異なり、マーフィー自身は（少なくとも対外的には）あくまで生存している人間として認知されています。

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