ロマンス (1999年のテレビドラマ)

つかこうへい戯曲『ロマンス』：舞台から小説、そしてテレビドラマへ

つかこうへいの代表作の一つとして知られる『ロマンス』は、1979年に「いつも心に太陽を」というタイトルで初演された戯曲です。その後、幾度かの改題・改訂を経て、現在では『ロマンス』として広く認識されています。本作品は、舞台、小説、そしてテレビドラマと、様々なメディアで展開され、多くの人々に愛されてきました。

舞台『ロマンス』：初演から再演まで

『ロマンス』の原点となる舞台作品は、1979年2月8日、PARCO西武劇場で行われた「平田満ひとり会」で初演されました。その後、『平凡パンチ』誌に掲載され、1982年には『蒲田行進曲 - 戯曲 つかこうへい新作集』に収録されました。さらに、1997年には北区つかこうへい劇団の第4回公演として、改題・改訂版が再演され、改めてその魅力が注目されました。

小説『ロマンス』：様々なタイトルと版を重ねて

舞台作品に先立ち、つかこうへい自身の手によって小説化もされています。1979年3月号の『野性時代』に「ロマンス」と題した短編小説として掲載された後、『いつも心に太陽を』という短編集に収録されました。その後、「青春 父さんの恋物語」と改題され、長編小説として刊行。さらに『ロマンス』と題し、光文社文庫より再刊行され、1999年にはテレビドラマ化もされました。様々なタイトルと版を重ね、小説としても多くの読者に親しまれてきました。

テレビドラマ『ロマンス』：1999年の日本テレビ放送

1999年4月12日から6月28日まで、日本テレビ系列で放送されたテレビドラマ『ロマンス』は、光文社文庫版の小説を原作としています。北区つかこうへい劇団も協力し、原作の世界観を忠実に再現しながらも、テレビドラマならではの表現で、新たな魅力を生み出しました。TRFの『WIRED』を主題歌に起用するなど、音楽面でも話題となりました。

ストーリー：オリンピック選手と新人ジャーナリストの恋

物語の中心は、オリンピック候補の競泳選手である繁と、彼を取材する新人ジャーナリストのみづきの恋です。沖縄での全国大会を舞台に、二人の関係は深まっていきます。しかし、繁には幼なじみの純平という存在が、複雑な感情を抱かせます。友情以上の感情を抱く純平の思いが、みづきと繁の恋に影を落とします。この三角関係を軸に、青春の葛藤や、夢と現実の狭間で揺れる登場人物たちの姿が描かれ、多くの共感を呼びました。

まとめ

『ロマンス』は、舞台、小説、テレビドラマとメディアを問わず、長年にわたって愛され続けている作品です。オリンピックを舞台にした恋物語、複雑な人間関係、そして時代を超えて響く普遍的なテーマは、多くの観客や読者を魅了し続けています。小説と戯曲、そしてテレビドラマと、それぞれのメディアで異なる魅力を持つ『ロマンス』は、現代においてもなお、多くの人の心に深く刻まれる作品と言えるでしょう。

もう一度検索