ロマンセ (荻野目洋子の曲)

荻野目洋子の29枚目のシングル「ロマンセ」は、1993年8月21日にビクターエンタテインメントから発売されました。この曲は、映画『禁じられた遊び』で使用され、広く知られている「愛のロマンス」(ギター独奏) を基に、日本語詞が付けられた作品です。

「ロマンセ」が世に出るまでの経緯は興味深いものがあります。日産自動車「ローレル」のCMソングとして起用されることになり、制作会社から荻野目洋子への楽曲提供オファーがありました。その際に、編曲はEdisonに依頼されたとのことです。CMとのタイアップによって、多くの人々の耳に届く機会が増え、楽曲の知名度向上に大きく貢献しました。

カップリング曲として収録されているのは、「黒い瞳」です。これもEdisonが編曲を担当したカバー曲で、元々はロシアの伝統的な民謡であり、フリオ・イグレシアスが「Nathalie」として歌って世界的に有名になった楽曲です。日本では郷ひろみも「哀しみの黒い瞳」というタイトルでカバーしており、世代を超えて愛されている名曲と言えるでしょう。

「ロマンセ」の作詞は荒木とよひさ氏が担当しました。荒木氏の繊細で情感豊かな詞の世界観と、Edisonによる洗練された編曲が見事に融合し、聴く者の心に深く響く仕上がりとなっています。オリジナルの「愛のロマンス」の持つロマンティックな雰囲気はそのままに、日本語詞によって新たな魅力が加わったと言えるでしょう。

シングルCDには、A面である「ロマンセ」とB面「黒い瞳」、そしてそれぞれのオリジナルカラオケバージョンが収録されています。ファンにとっては、楽曲を様々な形で楽しめる貴重な一枚と言えるでしょう。カラオケで歌ってみたり、楽器で演奏してみたりと、多様な楽しみ方ができるのも魅力の一つです。

「ロマンセ」は、荻野目洋子自身の歌唱力と、スタッフの創意工夫が詰まった、完成度の高いシングルとして高く評価されています。CMソングとしての成功に加え、楽曲そのものの魅力も相まって、今でも多くのファンに愛され続けている一曲です。そしてカップリング曲の「黒い瞳」も、原曲の持つ哀愁漂うメロディーと、日本のアーティストによる新たな解釈が融合した、聴きごたえのある作品となっています。このシングルを通して、荻野目洋子の幅広い音楽性と表現力を改めて知ることができるでしょう。

もう一度検索