ロマン・パヴリュチェンコ

ロマン・パヴリュチェンコ：ロシアを代表する元フォワード

ロマン・アナトリエヴィチ・パヴリュチェンコ（Roman Anatolyevich Pavlyuchenko、1981年12月15日 - ）は、ロシア・モストフスコイ出身の元プロサッカー選手です。ポジションはフォワード。

クラブキャリア

1999年にFCディナモ・スタヴロポリでプロデビューを果たし、翌年にはFCロートル・ヴォルゴグラードへ移籍。3シーズンを過ごした後、2003年に名門FCスパルタク・モスクワへ加入しました。スパルタク・モスクワでは、2006年、2007年と2年連続でロシア・プレミアリーグの得点王に輝き、その得点能力を証明しました。

EURO2008での活躍を機に、海外クラブからも注目を集めるようになり、2008年8月30日には、ディミタール・ベルバトフの後釜を探していたイングランドのトッテナム・ホットスパーFCへの移籍が決定。移籍金は1400万ユーロと報じられました。トッテナムでは、当初は初の国外挑戦ということもあり、EURO2008で見せた輝きを発揮できずに苦しみましたが、ハリー・レドナップ監督の就任後、ボルトン・ワンダラーズFC戦で先制ゴールを挙げ、チームのシーズン初勝利に貢献するなど、徐々に存在感を発揮しました。

2009-10シーズンには、一時は放出の噂も流れましたが、プレシーズンでのアピールが実り残留。ジャーメイン・デフォー、ピーター・クラウチらに次ぐ4番目のフォワードという立場から、ウィガン・アスレティックFC戦での2ゴールをきっかけにレギュラーを奪取し、得点を量産しました。レドナップ監督も、かつてはパヴリュチェンコのメンタルの弱さを指摘していましたが、この活躍ぶりには「まるでロケットのようだ」と絶賛しました。

2010-11シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ、BSCヤングボーイズ戦では、試合を通して目立った活躍はなかったものの、チームを救うミドルシュートを決め、トッテナムのフロントにフォワードの補強を見送らせるほどのインパクトを与えました。このシーズンはリーグ戦で29試合に出場し9得点を挙げ、チャンピオンズリーグではチームのベスト8進出に貢献するなど、重要な戦力として活躍しました。

しかし、2011-12シーズンにはエマニュエル・アデバヨールの加入もあり、出場機会が激減。EURO2012出場を目指すため、2012年1月31日にFCロコモティフ・モスクワへ移籍しました。

その後、FCクバン・クラスノダール、FCウラル・エカテリンブルクを経て、2017年には3部リーグに新たに創設されたFKアララト・モスクワへ移籍しました。

代表キャリア

ロシア代表としては、U-21代表を経て、2003年にA代表デビュー。2005年10月8日のルクセンブルク戦で代表初ゴールを記録しました。EURO2008では、その長身を生かしたポストプレーや、強烈なミドルシュートで存在感を発揮。3ゴールを挙げ、ロシア代表のベスト4進出に大きく貢献し、自身も大会選定の優秀選手に選ばれました。

人物

既婚者であり、妻のラリーサとの間に娘がいます。2008年には、故郷である南部スタヴロポリ地区の下院議員に選出され、ウラジーミル・プーチン率いる統一ロシアに所属しています。2011年頃には、右腕に大きなタトゥーを入れています。

獲得タイトル

クラブ
スパルタク・モスクワ
ロシア・カップ: 2003
ロコモティフ・モスクワ
ロシア・カップ: 2015
個人
スパルタク・モスクワ
ロシア・プレミアリーグ得点王: 2006（18得点）, 2007（14得点）
ロシア代表
EURO2008大会優秀選手

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