ロリス・カリウス

ロリス・カリウス：苦難を乗り越えるドイツ人ゴールキーパー

ロリス・スヴェン・カリウス（Loris Sven Karius）は、1993年6月22日生まれ、ドイツ・バーデン＝ヴュルテンベルク州出身のプロサッカー選手です。現在は2. ブンデスリーガのシャルケ04に所属し、ゴールキーパーとしてプレーしています。

若手時代の研鑽とプロデビュー

カリウスは、そのキャリアをイングランドの強豪、マンチェスター・シティFCのユースチームでスタートさせました。2009年から数年間を過ごした後、ドイツへ帰国。2012年に1.FSVマインツ05でプロとしての第一歩を踏み出しました。

リヴァプールへの移籍と試練

2016年5月24日、カリウスは大きな転機を迎えます。名門リヴァプールFCへの移籍を果たし、ユルゲン・クロップ監督の下で新たな挑戦を始めることになったのです。当初は正ゴールキーパーとして期待されましたが、安定感を欠くパフォーマンスが続いたため、控えに甘んじる時期もありました。

しかし、2017-18シーズン後半には再び安定を取り戻し、正GKの座を奪還。ところが、2018年5月26日に行われたUEFAチャンピオンズリーグ決勝で、悪夢のような出来事が起こります。レアル・マドリードとの大一番で、カリウスは2つの致命的なミスを犯してしまったのです。後半6分には、カリム・ベンゼマにボールをぶつけて先制点を献上。さらに83分には、ガレス・ベイルの放った無回転シュートをファンブルし、3点目を失いました。これらのミスが大きく響き、リヴァプールは1-3で敗北。カリウスは試合後、涙ながらにサポーターへ謝罪しましたが、批判の声は収まりませんでした。

試合後、カリウス本人は、セルヒオ・ラモスとの接触による一時的な脳震盪がミスの原因だとほのめかしました。しかし、翌シーズンのプレシーズンマッチでもミスが散見され、実力不足を指摘する声が強まりました。クロップ監督はカリウスを擁護したものの、アリソン・ベッカーを新たに獲得。カリウスは出場機会を求めて、2018年8月25日にベシクタシュJKへ2年間のローン移籍を決断しました。

ベシクタシュ、ウニオン・ベルリンでの苦闘

ベシクタシュでは正GKとしてプレーしたものの、監督との確執やクラブ側の給与未払い問題が発生。サポーターからの信頼も失い、苦しい時期を過ごしました。2020年5月4日、ベシクタシュとのレンタル契約を終え、リヴァプールへ復帰しますが、戦力構想には入らず、同年9月には1.FCウニオン・ベルリンへのローン移籍が決まりました。

しかし、ウニオン・ベルリンでも出場機会は限られ、2020-21シーズンの公式戦出場はわずか5試合。レンタルバックした2021-22シーズンは、ついに公式戦の出場機会を得られませんでした。

ニューカッスルへの移籍と再起への挑戦

2022年夏にフリーとなったカリウスは、同年9月12日にニューカッスル・ユナイテッドFCへ加入。当初は短期契約でしたが、シーズン終了までの延長オプションが付帯していました。2023年のカラバオカップ決勝では、正GKの出場停止により先発出場。好セーブも見せましたが、チームは敗れました。2023-24シーズンもニューカッスルに残留し、再起を目指しています。


ロリス・カリウスは、そのキャリアにおいて数々の困難に直面してきました。しかし、彼は決して諦めることなく、常に前を向いて挑戦を続けています。彼の今後の活躍に期待しましょう。

もう一度検索