ロンガローネ

イタリア、ベッルーノ県ロンガローネ：災害からの復興と産業の町

ロンガローネは、イタリア共和国ヴェネト州ベッルーノ県に位置する人口約5,100人のコムーネです。その歴史は古く、ローマ時代にまで遡ります。しかし、ロンガローネの名を世界に知らしめたのは、1963年に発生したバイオントダム災害でした。この災害で町は壊滅的な被害を受けましたが、不屈の精神で復興を遂げました。現在では、眼鏡産業とジェラートの町として知られています。

地理

ロンガローネは、ベッルーノ県の東部に位置し、フリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州との境界に接しています。アルプスを源流とするピアーヴェ川の上流、小盆地に位置し、県都ベッルーノから北北東に15km、ヴェネツィアから北へ93kmの距離にあります。周辺は山々に囲まれ、美しい自然景観が広がっています。

隣接するコムーネ

北: オスピターレ・ディ・カドーレ
東: エルト・エ・カッソ（ポルデノーネ県）
南東: ソヴェルゼネ
南: ポンテ・ネッレ・アルピ
南西: セーディコ、ベッルーノ
西: ラ・ヴァッレ・アゴルディーナ
北西: ヴァル・ディ・ゾルド

歴史

ロンガローネの歴史はローマ時代に遡り、当時の遺跡が残されています。中世にはベッルーノと共に歩み、1420年以降はヴェネツィア共和国の支配下に入りました。1806年に独立都市となり、ウィーン会議後はオーストリアの勢力下を経て、1866年にイタリアに編入されました。

バイオントダム災害

1963年10月9日、ロンガローネはバイオントダム災害に見舞われました。トック山からの地滑りによってダム湖の水が溢れ、巨大な津波となってロンガローネを襲い、壊滅的な被害をもたらしました。この災害で1,450人もの犠牲者を出し、町の大部分が泥水に飲み込まれました。しかし、ロンガローネの人々は困難に立ち向かい、復興を成し遂げました。

経済・産業

ロンガローネは、眼鏡産業とジェラートで知られています。ベッルーノ県北東部は、イタリアにおける眼鏡産業の一大集積地であり、ロンガローネはその中心地の一つです。大手眼鏡メーカーの本社もロンガローネに置かれています。また、ロンガローネでは毎年冬に「国際ジェラート展示会」が開催され、世界中からジェラート職人が集まります。

交通

国道SS51号線がピアーヴェ川に沿ってコムーネを南北に縦断しており、主要な交通路となっています。また、県道SP251号線が東西に走り、周辺の谷や町を結んでいます。

姉妹都市

ウルサンガ（ブラジル）
* バーニ・ディ・ルッカ（イタリア、トスカーナ州）

ロンガローネは、バイオントダム災害という悲劇を乗り越え、復興を遂げた町です。眼鏡産業とジェラートの町として、また美しい自然に囲まれた観光地として、多くの人々を魅了しています。

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