ロングイェールビーン

ロングイェールビーンの概要

ロングイェールビーン（ノルウェー語：Longyearbyen）は、ノルウェー領スヴァールバル諸島に位置する町で、スピッツベルゲン島のイース・フィヨルド南岸に面しています。この町は、スヴァールバル諸島の人口の大半を占める2040人（2008年時点）の住民が暮らす、世界で最も北にある人口1000人以上の町です。

地理

ロングイェールビーンは、イース・フィヨルド中程の南岸に広がっており、ロングイェール川の両岸に位置しています。町の周囲には、様々な地区が点在し、ロングイェールの名はアメリカ人実業家ジョン・マンロー・ロングイヤーに由来しています。

町から36km西にはロシアの炭鉱町であるバレンツブルクがあるものの、両者は道路でつながっていません。

生物相

この地域は、スヴァールバル間でも比較的気候が温暖で、生物学的多様性が豊かです。Norsk institutt for naturforskning（NINA）の調査によると、ロングイェールビーンにはレッドリストに掲載された178種の希少種が確認されています。

しかし、ロングイェールビーンの植生や環境には人間の影響も見られ、1990年代には地域緑化計画が進められました。この計画で中心部には芝が植えられましたが、外来種の持ち込みが問題視されています。スヴァールバルには固有の野生動物も多く、ホッキョクギツネやスヴァールバルトナカイ、スヴァールバルライチョウなどが生息しています。

気候

ロングイェールビーンの気候は、寒流と暖流が交わる影響で温暖です。冬期は厳しい寒さが続き、夏でも月平均気温は7°Cにとどまります。年間降水量は190mm程度で、特に冬季は白夜と極夜が交互に訪れます。極夜の期間は10月から2月までで、晴れた夜にはオーロラも観測されます。

歴史

スヴァールバル諸島は1596年にオランダの探検家ウィレム・バレンツによって発見され、以来、ヨーロッパ諸国による捕鯨権を巡る争いが続きました。19世紀に入ると、ロングイェールビーンは炭鉱の町として発展を遂げ、アメリカ人実業家による石炭採掘が行われました。1906年には北極石炭会社が設立され、町が急速に発展しました。

第一次世界大戦や第二次世界大戦の影響を受けながら、スヴァールバル島の経済は変化し続け、現在では観光と研究が主要な産業として発展しています。

現在のロングイェールビーン

現在、ロングイェールビーンは観光や学術研究が盛んな町であり、スヴァールバル大学センターなどの教育機関も存在します。町には民間企業や公共施設が充実しており、住民の生活が多様化しています。かつての炭鉱町から、今では誰もが飛行機で訪れることのできる世界最北の町へと進化しました。観光業の急成長により、年間40,000人以上が訪れる人気スポットになっています。

今後も、ロングイェールビーンは観光、研究の中核としてさらなる発展が期待される町です。

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