ロンドン・アイ

ロンドン・アイ：テムズ川を彩る巨大観覧車

ロンドン・アイは、イギリスの首都ロンドンを代表する観光名所のひとつです。1999年末、ミレニアム事業の一環として開業したこの観覧車は、テムズ川南岸のサウスバンクに位置し、その独特の景観から、ロンドンを象徴する存在となっています。

世界一の座から、ロンドンの象徴へ

開業当時は高さ135メートルを誇り、世界一の観覧車としてその名を轟かせました。しかし、その後、中国やシンガポール、アメリカなどに、さらに高い観覧車が建設され、その座は譲ることになります。それでもなお、ロンドン・アイは、ロンドンという街、そしてその歴史と文化を象徴する存在として、世界中から観光客を集め続けています。

建設に際しては、特許制度の期限ギリギリのタイミングを利用したという興味深いエピソードも残されています。観覧車の駆動方式に関する特許の期限が迫る中、建設は急ピッチで進められ、ギリギリのところで特許期限内に完成。営業開始は期限切れ直後という、非常に巧妙な戦略が用いられました。

ゴンドラからの絶景と、細やかな配慮

ロンドン・アイのゴンドラは全部で32基あり、それぞれに空調が完備されています。ガラス張りのカプセルからは、ロンドン市内を360度見渡すことができます。特に天候の良い日には、遠くまで広がる街並みや、テムズ川の流れを美しいパノラマで楽しめます。ゴンドラの回転速度は非常にゆっくりとしており、約30分で一周します。そのため、絶景をゆっくりと堪能することができます。また、ゴンドラはホイールの外側に設置されているため、頂上付近でも視界を妨げられることはありません。

夏場には、ガラス張りのカプセル内が温室状態になることもありますが、快適な観光体験を提供するために、空調設備の整備などに常に配慮が払われています。高齢者や障害者への配慮も万全で、必要に応じて乗降のための停止措置がとられます。

建築と歴史

ロンドン・アイは、建築家デイヴィッド・マークスとジュリア・バーフィールドによって設計されました。建設はテムズ川上で行われ、完成後にクレーンで河岸に移動させるという大規模な作業が行われました。使用された鋼材の総重量は1700トンにも及びます。開業式には、当時の首相トニー・ブレア氏も出席しました。

当初は5年間の限定的な営業許可でしたが、その人気から恒久的な施設として認められ、現在に至っています。現在、スポンサーであるコカ・コーラ社の名を冠し、「コカ・コーラ ロンドン・アイ」として知られています。スポンサー変更に伴い、観覧車の照明も青から赤へと変更されました。

ロンドン観光の定番として

ロンドン・アイは、ロンドンを代表する観光名所として、年間を通して多くの観光客が訪れます。その人気の高さは、開業以来、850万人を超える人々が訪れたという実績からも明らかです。周辺には、王立空軍記念碑など、歴史的な建造物も多く存在し、観光の拠点として最適な場所となっています。

夏季と冬季で営業時間が異なり、年中無休で営業しています。料金は一般大人17ポンド、優先搭乗券は27ポンドです。ロンドンを訪れた際には、ぜひ一度、この巨大観覧車からロンドンの街並みを眺めてみてください。

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