ロンドン大学高等法学研究所

高等法学研究所 (IALS) について

高等法学研究所 (Institute of Advanced Legal Studies, IALS) は、ロンドン大学の高等研究院の一部として設立された国立の学術研究機関です。1947年に設立され、イギリスと英連邦王国における法学研究の中心的存在を目指しています。IALSは、国立法学研究図書館を有し、高等教育機関として法学に関するプログラムや施設の提供を行っています。

概要

IALSの主な目的は、イギリス法における高度な研究業務を推進し、研究者や法律家に必要な資源を提供することです。アトキン卿の提言を受けて1947年に設立され、同年6月にはウィリアム・ジャウイット（初代ジャウイット伯）によって正式にロンドン大学の一部として認められました。IALSの初代所長は、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで名高い教授、デイヴィッド・ヒューズ・パリーでした。

歴史

設立当初はラッセル・スクエア25番地に位置し、全フロアが研究所の活動に使用されました。1階と2階は図書館用、3階は事務及び研究室として利用され、初年度には11,000冊の書籍が整備されました。1949年には施設が不足し、隣接のラッセル・スクエア26番地にも拡張されました。1976年には、より大規模なチャールズ・クロア・ハウスへと移転し、現地での活動を一層充実させています。

図書館の役割

IALSの図書館は、300,000以上の法律関連のコレクションを擁し、特に国際公法に関する文献が充実しています。その蔵書は法学研究に特化しており、日本を含む世界各国の法律資料にアクセスできます。また、最新の逐次刊行物も3,000以上取り揃えています。図書館のカタログは、ロンドン大学の他の図書館と共有され、オンラインでも利用可能です。

研究活動

IALSは学問の発展に寄与するため、独立した研究や共同プロジェクトを積極的に追求しています。サー・ウィリアム・ダール・センターやWoolf Chair of Legal Educationなど、国立研究センターとしての位置づけを強化しています。これにより、HIV/エイズ、国際財政規則、学際的な租税法に関する重要な研究が行われています。

教育プログラム

2004年以降、IALSは法学に関するさまざまな大学院プログラムを提供しています。現在提供されているのは、LLM（Advanced Legislative Studies）、LLM（International Corporate Governance, Financial Regulation and Economic Law）、MA（Taxation）などです。学生には、短期コースやPostgraduate Diploma (PGDip)、Postgraduate Certificate (PGCert) などの付加プログラムも用意されています。

講義および講演

UALSでは、毎年著名な学者や法律家を招いてのワークショップや講演が行われており、特にW・G・ハートワークショップやハムリン講義シリーズは注目されています。これにより、学問形成・知識共有の場が提供され、多くの研究者や法律関係者が恩恵を受けています。

共同プロジェクトおよび近年の動向

IALSの図書館は、他の図書館や団体との連携を強化しており、法学研究を促進するための様々な共同事業を展開しています。最近はデジタル技術を通じて資料へのアクセスを向上させる取り組みが進められています。特に、BAIILIIと連携した法律情報の普及活動は、国際的な法学研究における情報拡充に寄与しています。

このように、IALSはただの研究機関にとどまらず、法学の進歩を牽引する重要な役割を果たしています。

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