ロンド・カプリチオーソ (メンデルスゾーン)

フェリックス・メンデルスゾーンによって作曲されたピアノ独奏曲に、『ロンド・カプリチオーソ 作品14』があります。

この楽曲の正確な作曲年は明らかになっていませんが、一説にはメンデルスゾーンが15歳頃の作品であるとも言われています。しかし、作品が初めて出版されたのは1833年のことでした。形式としては、ゆったりとした序奏を持つロンド形式が採用されています。全体の構成は、序奏に続いて主要な主題（A）、副次的な主題（B）、主要主題（A）の再現、異なる副次的な主題（C）、再び主要主題（A）が姿を見せ、最後にコーダで締めくくられるという、序奏-A-B-A-C-A-コーダの形をとっています。

楽曲はまず、アンダンテのテンポ、4分の4拍子で始まる序奏で幕を開けます。ここでは、8分音符による和音のリズムに乗せて最初の主題が現れ、その主題は徐々に装飾的な音型を加えられながら展開されていきます。この序奏部分は、主部で展開されるロンドの活気とは対照的に、落ち着いた雰囲気で聴き手を引き込みます。

序奏に続いて現れる主部、ロンドは、一転してプレスト（急速に）のテンポとなり、ホ短調、8分の6拍子となります。この主要な部分で提示されるロンド主題は、急速なテンポと軽快なリズムによって特徴づけられます。ロンド主題に続いて登場する第2主題はト長調で、主要主題とは異なる対照的な性格を持っています。ロンド主題が一度再現された後には、ホ長調で第3の主題が提示されます。この第3主題は、これまでに曲中で示されたいくつかの音楽的な動機を発展させる形で構成されています。

再びホ短調に戻ると、ロンド主題が繰り返され、楽曲は終結部へと向かいます。曲の展開が進むにつれて、音楽は徐々に低音域へと移り、音量を弱めていきます。そして、曲全体を力強く締めくくるコーダへと繋がります。コーダでは、主部で提示された要素が回想され、華やかに曲を終えます。

この『ロンド・カプリチオーソ 作品14』は、その華麗さと演奏技術を要求する性格から、多くのピアニストによって演奏されています。また、この楽曲は、日本の音楽ユニットであるALI PROJECTのアルバム『芸術変態論』に収録された複数の楽曲の中で引用されていることでも知られています。さらに、この曲の楽譜は、国際楽譜ライブラリープロジェクト（IMSLP）のようなサイトを通じて入手することも可能です。

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