ロン・ウッド

ロン・ウッド：ロックンロールのレジェンドと多彩な才能

1947年生まれのロナルド・デイヴィッド・ウッド、通称ロン・ウッドは、イギリスを代表するロック・ミュージシャンのひとりです。フェイセズ、そしてローリング・ストーンズでの活躍で広く知られていますが、彼のキャリアは多岐に渡り、ソロ活動、画家としての才能、そして数々の著名なミュージシャンとの親交など、魅力的な側面を数多く持ち合わせています。

音楽キャリアの始まりとフェイセズ

ウッドの音楽キャリアは1964年、ロンドンのバンド、ザ・バーズから始まりました。その後、ザ・クリエイションや兄のアート・ウッドが結成したクワイエット・メロンといったバンドに参加しますが、いずれも短期間で解散。転機となるのはジェフ・ベック・グループへの参加です。ロッド・スチュワートと共にベーシストとして活躍しましたが、アルバム『ベック・オラ』発表後に脱退。

そして、スチュワートと共にスモール・フェイセズに加入。バンド名をフェイセズと改め、イギリスで人気を博しました。「ステイ・ウィズ・ミー」や「玉つきリチャード」といったヒット曲を世に送り出し、酔いどれロックンロール・バンドとして名を馳せました。このバンドでの活動は、彼自身の音楽性を確立する上で大きな役割を果たしました。1974年には初のソロアルバム『俺と仲間』を発表し、ソロアーティストとしての活動もスタートさせています。

ローリング・ストーンズへの加入とその後

1975年、ジェフ・ベックの推薦もあり、ウッドはローリング・ストーンズのアルバム『ブラック・アンド・ブルー』のレコーディングに参加します。これはミック・テイラーの後任ギタリストを探すオーディションの側面もあったと言われています。その後、ストーンズのアメリカツアーにサポートメンバーとして参加し、1976年には正式メンバーとして加入。以後、ストーンズのギタリストとして、長きに渡り活躍を続けました。

ストーンズ加入後も、ソロ活動や他のミュージシャンとのセッション、さらにはニュー・バーバリアンズといったバンド結成など精力的に活動。1988年にはボ・ディドリーと共に来日公演を行うなど、国際的な活動も展開しました。1993年には初の単独ツアーで日本を訪れ、全国各地でコンサートを開催。近年では2020年のブリット・アワードで、ロッド・スチュワート、ケニー・ジョーンズと共演するなど、精力的な活動を続けています。

多彩な人間関係と芸術性

ロン・ウッドは、明るく朗らかな人柄で知られ、ジェフ・ベック、エリック・クラプトン、ボブ・ディラン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスンといった、数多くのミュージシャンと親交があります。エリック・クラプトンとは特に深い関係にあり、数々のエピソードが語り継がれています。また、ボブ・ディランの未発表曲を取り上げるなど、音楽シーンにおける幅広いネットワークを築いています。

さらに、彼は画家としての才能も持ち合わせています。自身のソロアルバムのジャケットデザインを手掛けるほか、個展も多数開催するなど、音楽活動以外の分野でも活躍しています。愛用のギター、1955年製フェンダー・ストラトキャスターと1971年製ゼマティスは彼のステージには欠かせない存在であり、自宅が火事になったら真っ先に持ち出したいと語るほど愛着のあるものです。近年は日本の寺田楽器のROZEOブランドのギターも使用しています。

ソロ活動と出版物

ソロ活動では、数多くのアルバムを発表。代表的な作品として『俺と仲間』、『ナウ・ルック』、『スライド・オン・ディス』などがあります。これらの作品は彼の多様な音楽性を示しており、ロックだけでなく、ブルースやR&Bといった要素も含まれています。また、自伝『俺と仲間 ロン・ウッド自伝』を出版し、自身の音楽人生を赤裸々に語っています。

まとめ

ロン・ウッドは、ローリング・ストーンズのギタリストとしての成功にとどまらず、フェイセズでの活躍、ソロアーティストとしてのキャリア、画家としての才能など、多様な分野で卓越した才能を発揮してきた稀有な存在です。彼の音楽と芸術は、これからも多くのファンを魅了し続けることでしょう。

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