ミック・テイラー

ミック・テイラー：ブルースからロック、そしてソロへの軌跡

ミック・テイラーは、1949年1月17日、イングランドで生まれたミュージシャンです。ローリング・ストーンズにおけるリードギタリストとしての活躍で広く知られており、その卓越したギターテクニックは多くの音楽ファンを魅了し続けています。

生い立ちとブルースブレイカーズ時代

幼少期よりギターに親しみ、10代でブルース音楽にのめり込んだテイラーは、地元バンドで演奏経験を積みます。16歳の若さで、伝説的ギタリスト、エリック・クラプトンの代役としてジョン・メイオール＆ブルースブレイカーズのライブに参加した逸話は有名です。その後、正式メンバーとしてブルースブレイカーズに加入し、ツアーやレコーディングに参加、ブルースマンとしてのキャリアを本格的にスタートさせました。

ローリング・ストーンズへの加入と黄金時代

1969年、ブライアン・ジョーンズ脱退後のローリング・ストーンズは、新たなギタリストを探していました。ミック・ジャガーはジョン・メイオールを通じてテイラーを紹介され、『レット・イット・ブリード』のレコーディングに参加させます。セッションは単発の仕事と思われていましたが、テイラーの才能はジャガーの目に留まり、ストーンズの正式メンバーとして迎え入れられました。

テイラー参加後のストーンズは、黄金期を迎えました。『スティッキー・フィンガーズ』、『メイン・ストリートのならず者』、『山羊の頭のスープ』、『イッツ・オンリー・ロックン・ロール』など、数々の名盤を世に送り出し、ロック史に大きな足跡を残しました。リードギターだけでなく、リズムギターやベースも担当するなど、彼の多才さがストーンズのサウンドに深みを与えました。中でも「ホンキー・トンク・ウィメン」は、テイラーのリフがインスピレーション源となったことで知られています。

ストーンズ脱退とその後

1974年、テイラーはストーンズを脱退します。脱退理由は音楽的な理由によるものだと語られていますが、メンバー間の複雑な人間関係も影響していたと推測されています。脱退後も、ストーンズとの関係は完全に断絶したわけではなく、その後も何度か共演しています。1989年のロックの殿堂入りや、2012年の50周年記念ライブへの参加など、ストーンズメンバーとの良好な関係が伺えます。

ソロ活動と他のミュージシャンとのコラボレーション

ストーンズ脱退後、テイラーはソロ活動を開始しました。1979年に発表したソロアルバム『ミック・テイラー』を皮切りに、精力的に活動を続けました。マイク・オールドフィールドやボブ・ディランなど、著名なミュージシャンとの共演やレコーディングにも参加し、彼の幅広い音楽性を示しています。また、ジョン・メイオール＆ブルースブレイカーズの再結成ツアーにも参加するなど、ブルースへの強い思いも持ち続けています。

ディスコグラフィー

テイラーは、ストーンズ在籍時や脱退後に数多くのアルバムやシングルを発表しました。ソロアルバムだけでなく、ブルースブレイカーズや、ボブ・ディラン、カーラ・オルソンなどとのコラボレーション作品も多数存在し、その音楽的遍歴の広さを物語っています。ここでは、彼の代表的な作品の一部を挙げます。

ストゥディオ・アルバム

『ミック・テイラー』(1979年)
『シャドウ・マン』(1996年)
『ア・ストーンズ・スロー』(1999年)

ライブ・アルバム

『ストレンジャー・イン・ディス・タウン』(1990年)
『ライヴ・アット・14ビロウ』(2003年)

ジョン・メイオール＆ブルースブレイカーズ

『クルセード』(1967年)
『ブルース・バンドの日記 VOL.1&2』(1968年)

ローリング・ストーンズ

『レット・イット・ブリード』(1969年)
『スティッキー・フィンガーズ』(1971年)
『メイン・ストリートのならず者』(1972年)

まとめ

ミック・テイラーは、ブルースからロック、そしてソロと、常に音楽探求を続け、その幅広い才能を存分に発揮してきたギタリストです。ローリング・ストーンズの一員として築き上げた功績は計り知れず、彼の音楽はこれからも多くの人々に影響を与え続けるでしょう。

もう一度検索