ロヴレ・カリニッチ

ロヴレ・カリニッチ：クロアチアが生んだ守護神の軌跡

ロヴレ・カリニッチ（Lovre Kalinić）は、1990年4月3日生まれ、クロアチア・スプリト出身のプロサッカー選手です。現在は古巣であるHNKハイドゥク・スプリトに所属し、ゴールキーパーとして活躍しています。クロアチア代表としても長らくプレーしましたが、近年は代表から遠ざかっています。

ハイドゥク・スプリトでの台頭

カリニッチは、地元クラブであるHNKハイドゥク・スプリトの下部組織で育ちました。2011年4月23日のNKスラヴェン・ベルポ戦でトップチームデビューを果たします。当初は下位クラブへのレンタル移籍を繰り返しますが、2013-14シーズンにイゴール・トゥドール監督が就任すると、その才能が開花。レギュラーポジションを獲得し、チームの守護神として活躍します。

2015-16シーズンには、リーグ戦で8試合・775分間無失点という新記録を樹立し、その名をクロアチア中に轟かせました。この記録は、カリニッチの安定したセービングと、チーム全体の堅守が結実したものでした。

海外への挑戦

2016年12月、カリニッチはベルギーのKAAヘントへ移籍します。移籍金は、クロアチア人ゴールキーパーとしては史上最高額となる310万ユーロと推定されました。ヘントでは正ゴールキーパーとして活躍し、ヨーロッパリーグなどの国際舞台も経験しました。

2018年12月には、イングランドのアストン・ヴィラFCへ移籍。しかし、アストン・ヴィラでは出場機会に恵まれず、2020年1月にはフランスのトゥールーズFCへレンタル移籍。短い期間ではありましたが、フランスリーグでのプレーを経験しました。

古巣ハイドゥク・スプリトへの復帰

2021年、カリニッチはレンタル移籍で古巣のハイドゥク・スプリトに復帰します。再びハイドゥクのユニフォームに袖を通し、サポーターからの温かい声援を受けながらプレーしています。かつての輝きを取り戻し、チームを上位に導くことが期待されています。

クロアチア代表としての貢献

カリニッチは、クロアチア代表としても長らく活躍しました。2018 FIFAワールドカップでは、メンバーに選出され、グループステージ突破を決めたアイスランド戦に出場。ダニエル・スバシッチの控えという立場でしたが、貴重な経験を積みました。

スバシッチの代表引退後は、レギュラーとしてゴールマウスを守りましたが、パフォーマンスが安定せず、若手のドミニク・リヴァコヴィッチにポジションを奪われました。2022 FIFAワールドカップのメンバーからは落選し、近年は代表から遠ざかっています。

プレースタイルと評価

カリニッチは、恵まれた体格と高い身体能力を生かしたセービングが持ち味です。また、正確なキックで、攻撃の起点となることもできます。落ち着いた性格で、ディフェンスラインを統率する能力にも長けています。

ハイドゥク・スプリトでは、長年にわたりチームを支え、サポーターから絶大な人気を誇っています。クロアチア代表としても、重要な試合で活躍し、チームに貢献しました。

近年は、怪我やコンディションの問題もあり、出場機会が減っていますが、経験豊富なベテランとして、チームを支える役割を担っています。今後の活躍にも期待がかかる選手です。

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