ローコン

Rokon: 二輪駆動のパイオニア

1958年創業のアメリカ、ニューハンプシャー州ロチェスターのオートバイメーカー、Rokon社。同社は、その設立以来、独自の二輪駆動システムを搭載したオートバイを製造し続け、世界中のオフロード愛好家から熱い注目を集めています。四輪駆動車のような走行性能を二輪車で実現した、Rokon社の革新的な技術と歴史に迫ります。

独自の二輪駆動システム

Rokon社のオートバイ最大の特徴は、何と言ってもその二輪駆動システムです。3速オートマチックギアボックスから、ベルト、チェーン、あるいはシャフトを介して前輪と後輪の両方を駆動するという、他に類を見ない設計となっています。このシステムにより、悪路や未舗装路での走破性は格段に向上し、「二輪版トラクター」と評されるほどの高い走破性を誇ります。まるで、本田技研工業がかつて製造していたモトラを彷彿とさせる、ごつごつとした角ばった車体と太いパドルタイヤが、そのタフさを物語っています。

エンジンと性能

初期のモデルにはクライスラー社の汎用2サイクルエンジンが搭載されていましたが、近年のモデルではKohler社製または本田技研工業製の汎用4サイクルエンジンへと進化を遂げています。排気量は160cc～174ccとコンパクトながらも、最高出力は5.5～6.6psと、オフロード走行に十分なパワーを備えています。最高速度は40mph（約64km/h）程度と、高速走行を目的とはしていませんが、その走破性は他の追随を許しません。

主要モデル

Rokon社は、様々なモデルをラインナップしており、それぞれのモデルが独自の特性を持っています。

トレールブレーカー (Trail Breaker)

15インチ径の前後タイヤと高い最低地上高を誇るトレールブレーカーは、Kohler社製172cc強制空冷単気筒エンジンを搭載し、6.6psの最高出力を発揮します。悪路走破性能に特化した、まさにRokon社の真骨頂と言えるモデルです。

レンジャー (Ranger)

「Powered by HONDA」と銘打たれる通り、本田技研工業製の160cc強制空冷単気筒エンジンを搭載しているレンジャー。最高出力は5.5psで、カリフォルニア州の厳しい排ガス規制にも適合しています。日本市場でも、かつて株式会社ノースウエストが輸入販売を行っていましたが、現在は販売を終了しています。

スカウト (Scout)

標準で12インチタイヤを装備（オプションで15インチに変更可能）したスカウト。エンジンはトレールブレーカーと共通で、高い走破性能をコンパクトな車体で実現しています。

まとめ

Rokon社のオートバイは、その独特のデザインと高い走破性能から、世界中のオフロード愛好家から高い評価を得ています。創業以来変わらない二輪駆動システムは、Rokon社の技術力の高さ、そしてオフロード走行への情熱を象徴するものです。過酷な環境下でも頼りになる、真のオフロードバイクを求める方にとって、Rokon社製のオートバイは最適な選択肢となるでしょう。現在も生産が続けられており、これからもその革新的な技術でオフロードの世界を牽引していくことでしょう。

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