ロータス・エミーラ

エミーラ（Emira）

エミーラ（タイプ131）は、イギリスの高性能スポーツカーメーカー、ロータス・カーズによって開発された魅力的な車両で、2021年に公式発表されました。エミーラの開発は、同社が2021年初頭に発表した今後の製品ラインアップの一環として位置付けられており、特に2028年に迎えるロータスの80周年を見据えた「Vision80」戦略の下で展開されています。エミーラは、エリーゼ、エキシージ、エヴォーラといった過去の名車たちの後継モデルとしての役割を担っており、その影響力を持ったデザインと技術は新たな時代を象徴しています。

背景と名称の由来

2021年1月に発表されたこの新型スポーツカーは、内燃機関を搭載したモデルとしては最後の一台になる可能性が高いとされています。「エミーラ」という名称は、古代語で「司令官」や「リーダー」を意味し、これはブランドの未来に向けた想いを込めたものです。特に、2020年代後半には完全に電動化するというブランドの方針の中、エミーラはその移行前にわずかに残された内燃機関搭載車という位置づけになります。

メカニズムと設計

エミーラのシャシは、新しいアルミ押出材を用いた接着式の設計が採用され、エヴォーラよりも空間を重視した2人乗りスタイルが特徴です。背後には208リットルのラゲッジスペースが確保されており、エンジンルームの後にも151リットルのトランクがあります。また、シャシセッティングには「ツアー」と「スポーツ」2つのモードがあり、日常利用での快適さとスポーティな走行性能を両立させています。

パフォーマンスとエンジン

エンジンにはメルセデスAMG製のM139型2.0リットル直列4気筒ターボと、トヨタ製の3.5リットルV型6気筒スーパーチャージャーの2種類が搭載可能で、それぞれ最高出力は365から405馬力を実現しています。加速性能は驚異的で、0から100km/hまでの加速が4.5秒未満というスペックを誇ります。トランスミッションは、2.0リッター車には8速DCT、3.5リッター車には6速MTとオプションの6速ATが用意されています。

エクステリアとインテリアデザイン

エクステリアデザインは、ロータスの最新のEVハイパーカー「エヴァイヤ」からの影響を強く受けており、シャープなエッジと洗練されたラインが印象的です。ドアは複雑な曲面からなるデザインで、空気の流れを巧みに導きます。新しいロータスのロゴが配されるボンネットや、精悍なトリムが施された外観は、見る者に強い印象を与えます。

インテリアは従来のロータスとは全く異なる洗練されたデザインが採用されています。ステアリングホイールはフラットボトムのD字型となり、12.3インチの液晶スクリーンと10.25インチのタッチスクリーンが配置されています。さらに、先進運転支援システム（ADAS）が多く搭載され、安全性の向上が図られています。

エミーラGT4

2021年には、エミーラのレーシングバージョンであるエミーラGT4も発表され、トヨタ製エンジンを搭載し、最高出力455馬力を発揮します。

販売と展望

2022年春からの販売開始が予定されています。特に日本市場においては、2021年10月に受注が開始され、国内外での注目度が高まっています。エミーラはロータスにとって、ガソリンエンジンモデルの集大成であると同時に、それ以降の電動化へ向けた転換期となる重要なモデルとして位置付けられています。

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