ロータス・エレトレ

ロータス・エレトレの詳細

ロータス・エレトレは、ロータス・カーズが展開する高級電動クロスオーバーSUVです。このモデルは、2021年11月に開発が始まり、2022年3月にはロンドンでワールドプレミアが行われました。エレトレという名はハンガリー語で「生き返る」という意味を持ち、ブランドの新たな挑戦を象徴しています。2023年6月にはヨーロッパで受注が開始され、日本では9月から販売がスタートしました。エレトレは、「Born British, Raised Globally（英国生まれ、世界育ち）」という理念のもと、国際的なチームによって開発されたモデルです。

設計と技術

エレトレは、ロータスにとって初めてのSUVモデルであり、親会社である吉利汽車のEV専用プラットフォーム「SEA」を基にした新しい「EPAプラットフォーム」を採用しています。ボディの43%がアルミニウムで構成され、全体としての軽量化が実現されています。また、電子制御ダンピングシステムを持つマルチリンク式サスペンションや、アンチロールコントロールが搭載されることで、走行性能も向上しています。ブレーキにはブレンボ製が使用され、タイヤはピレリ製の高性能タイヤが装備されています。

このSUVは、ブランド初の電動式パワーステアリングとリヤステアリングを採用し、走行時の安定性を高めます。特に、リヤステアリングはエレトレRモデルに標準搭載されており、他のグレードではオプションとして提供されます。また、車両全体のシステムは「インテリジェント・シャシー・コントロール（ICC）」によって集中管理され、各コンポーネントの応答をリアルタイムで制御することが可能です。

エクステリアとインテリアデザイン

エクステリアデザインは航空工学に基づき、空力特性が重視されています。アクティブフロントグリルやデジタルミラー、アクティブリヤスポイラーの導入により、Cd値は0.26に抑えられています。特にアクティブフロントグリルは独自のデザインが施されており、冷却が必要な際にのみ開く構造になっています。

インテリアも革新が盛り込まれており、「ロータスハイパーOS」を運用する最新のデジタルコックピットが設置されています。運転席にはスリムなメーターと共に、中央には15.1インチのインフォテイメントディスプレイが配置され、必要に応じて格納できます。また、オーディオシステムにはKEF製が採用され、快適な室内空間を演出しています。さらに、サスティナブルな素材としてリサイクル材やカーボンニュートラルなプラスチックが採用されており、環境にも配慮されています。

自動運転技術

エレトレには、レベル4の自動運転機能を搭載するための準備がされています。34台のレーダーやカメラが車両に配置され、情報はNVIDIA製のチップで処理されます。空気抵抗を軽減するために、LIDARは格納可能なシステムが採用されています。現時点ではレベル4の自動運転機能は公道では利用できませんが、ADAS機能として高度な運転支援システムが搭載されており、安全性も確保されています。

動力性能

エレトレは前後にそれぞれ1基ずつ永久磁石同期モーターを搭載し、四輪駆動を実現しています。特にエレトレRモデルには2速ATが装備されるのが特徴です。新開発の800Vシステムにより高効率な動力源が実現され、消費電流を低減し軽量化も図られています。日本市場にはエレトレSとエレトレRが導入され、プレミアムな走行体験が期待されています。

これらの特徴を兼ね備えたロータス・エレトレは、未来の電動SUVとして注目を集めています。

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