ローダッハ川

ローダッハ川は、ドイツのフランケンヴァルト西部を流れる、マイン川の右岸に位置する支流です。この川は、その穏やかな流れから、同じ地域を流れる「荒々しいローダッハ（Wilden Rodach）」と区別するために、「穏やかなローダッハ（Zahme Rodach）」とも呼ばれています。なお、近隣を流れるイッツ川の支流にも同名のローダッハ川が存在します。

ローダッハ川の水源は、テューリンゲン州のレンシュタイク沿い、標高690mの場所にあるローダッヒャーブルン（ローダッハの泉）です。そこから南へと流れ出し、フレンキッシェ・ムシュヴィッツ川とティッチェングルントバッハ川の間、約1.5kmの区間は、テューリンゲン州とバイエルン州の州境となっています。かつてティッチェンドルファーには筏池があり、フランケンヴァルトで伐採された木材をオランダ方面へ輸送するための筏が出発していました。

川はその後、ノルトハルベンの下流でケーデル川と合流します。このケーデル川の上流には、飲料水貯水湖であるマウトハウス・ダムがあります。ローダッハ川は、そこから南西方向に流れ続け、シュタインヴィーゼンやマルクトローダッハといった市場町を通過します。エルラブリュッケ付近では、連邦道B173号線沿いに荒々しいローダッハ川が合流します。さらに下流のクローナハでは、ハースラハ川が合流します。その後、キュプスやレドヴィッツといった町を流れ、マルクトツォイルンに到着する手前の標高270m地点でマイン川に合流します。

この川沿いには、フランケンヴァルトフェラインによって全長52kmのローダッハ自転車道が整備されており、「フレーサーヴェグ（筏の道）」とも呼ばれています。この自転車道は、ローダッハ川の歴史と自然を楽しみながら、地域の魅力を満喫できるルートです。

ローダッハ川は、その名の通り穏やかな流れが特徴ですが、歴史的には木材輸送に重要な役割を果たしていました。現在では、自転車道が整備され、多くの人々がこの川沿いの風景を楽しんでいます。川の流れとともに、地域の歴史や文化が息づいている場所と言えるでしょう。

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